肝臓の解毒機能の評価に用いられるのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・3番
解説
ICG試験は肝臓の薬物代謝・排泄能を直接評価し、血中アンモニア値は肝臓のアンモニア解毒(尿素合成)能を反映するため、これら2つが肝臓の解毒機能の評価に用いられます。ALPは胆道系、コレステロールは脂質代謝・合成機能、PTは凝固因子合成能の指標であり、解毒機能とは直接的に異なります。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。ICG試験は、肝細胞による色素の取り込み、代謝、排泄能力を直接的に評価する検査であり、肝臓の解毒機能(特に薬物代謝能)の指標として非常に有用です。
- 2. ALPは胆道系酵素であり、主に肝内胆汁うっ滞や骨疾患で上昇します。肝臓の解毒機能そのものの評価には直接的ではありません。正しくは:ALPは主に胆道系の評価や骨代謝の指標として用いられます。解毒機能の評価には不向きです。選びやすい理由:肝機能検査の一つとして知られているため、広義の肝機能と混同しやすいかもしれません。混同注意:AST, ALTなどの肝細胞逸脱酵素や、ビリルビンなどの胆汁うっ滞マーカーと混同することがあります。
- 3. 正解。アンモニアは体内で生成される有毒物質であり、肝臓の尿素回路によって無毒な尿素に変換されます。肝機能が低下するとアンモニアの代謝能力が低下し、血中アンモニア値が上昇するため、肝臓の解毒機能(特にアンモニア代謝能)の評価に用いられます。
- 4. コレステロールは肝臓で合成・代謝されますが、血清コレステロール値は肝臓の合成機能や脂質代謝異常を反映する指標であり、解毒機能の直接的な評価には用いられません。正しくは:血清コレステロール値は脂質代謝異常や肝臓の合成機能の指標であり、解毒機能とは直接関連がありません。選びやすい理由:肝臓がコレステロールの合成・代謝を行うため、肝機能との関連性が高いと感じるかもしれませんが、解毒機能とは異なります。混同注意:アルブミンやコリンエステラーゼなどの肝合成能の指標と混同することがあります。
- 5. PTは肝臓で合成される凝固因子(II, VII, IX, X)の活性を反映するため、主に肝臓の合成能力や凝固能の評価に用いられます。解毒機能の直接的な指標ではありません。正しくは:プロトロンビン時間は肝臓の合成機能、特に凝固因子の産生能力を評価する項目です。解毒機能とは異なります。選びやすい理由:肝機能検査の主要な項目の一つであるため、肝臓全体の機能と混同しやすいです。混同注意:アルブミンやコリンエステラーゼなどの肝合成能の他の指標と混同することがあります。
国試ポイント
肝臓のさまざまな機能(合成、解毒、代謝、排泄など)に対応する検査項目を正確に理解しているかを問う問題です。特に、解毒機能に特化した検査項目を選別できる知識が求められます。
混同注意
肝機能検査全体として様々な項目があるため、それぞれの項目が肝臓のどの機能を評価しているのかを正確に区別できないと誤答しやすい。特に、合成能、逸脱酵素、胆道系酵素の指標と解毒能の指標が混同されやすい。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、まず肝臓の主要な機能区分(合成、解毒、胆道系など)を念頭に置き、各検査項目がどの機能に対応するかを判断する。
関連知識
肝臓の機能には、解毒(薬物代謝、アンモニア代謝)、合成(アルブミン、凝固因子、コレステロール)、貯蔵(グリコーゲン、ビタミン)、胆汁産生・排泄、代謝(糖、脂質、タンパク質)など多岐にわたる。各機能に対応する代表的な検査項目として、解毒能(ICG試験、血中アンモニア)、合成能(PT、アルブミン、コリンエステラーゼ)、逸脱酵素(AST、ALT)、胆道系(ALP、γ-GTP、T-Bil)などを学ぶ必要がある。