心窩部縦走査による上腹部の超音波像〔別冊No.5〕を別に示す。番号と臓器・組織の組合せで誤っているのはどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
⑤で示されているのは、大動脈である。心窩部縦走査では、大動脈は下大静脈よりも腹側に位置し、拍動があり、壁が厚く描出される。一方、下大静脈はより背側に位置し、呼吸に伴い径が変動する特徴がある。画像では⑤は腹側に位置し、壁が厚く描出されているため大動脈と判断される。
選択肢ごとの解説
- 1. ①は腹壁の最も表層に位置し、比較的低エコーで均一な構造として描出されており、皮下脂肪と判断されるため正しい。選びやすい理由:超音波画像で最も表面に位置するため、直感的に皮下脂肪と判断しやすい。混同注意:腹筋層
- 2. ②は右側に大きく広がり、均一なエコーレベルで描出されており、肝臓と判断されるため正しい。選びやすい理由:上腹部では最も大きく描出される臓器であり、典型的なエコーパターンを示すため。混同注意:脾臓(ただし、脾臓は通常、心窩部縦走査ではここまで大きく描出されない)
- 3. ③は肝臓の背側に位置し、やや不均一なエコーで描出されており、膵臓(特に膵体部)と判断されるため正しい。選びやすい理由:膵臓は肝臓のすぐ下に位置し、エコーレベルが肝臓と類似しているため、判断しやすい。混同注意:胃(ただし胃は消化管であり内部に液体やガスを伴う場合が多い)
- 4. ④は臓器の辺縁に位置し、壁が層状構造を示し、内部に液体(無エコー)またはガス(高エコー)を伴う特徴があり、胃と判断されるため正しい。選びやすい理由:胃は超音波検査において、内容物によって多様なエコーパターンを示すため、分かりやすい。混同注意:小腸
- 5. 正解。⑤は下大静脈ではなく、大動脈である。心窩部縦走査では、大動脈は下大静脈よりも腹側に位置し、壁が厚く、拍動性がある。画像ではその特徴が示されている。正しくは:大動脈選びやすい理由:下大静脈と大動脈は共に腹部に存在する主要な血管であり、解剖学的知識が不十分だと混同しやすい。混同注意:下大静脈
国試ポイント
上腹部超音波検査における主要臓器・血管の同定とその解剖学的特徴を理解しているか。
混同注意
上腹部縦走査における下大静脈と大動脈の鑑別が混同しやすい。下大静脈は肝臓の背側に位置し、肝静脈が合流し、呼吸性変動がある。大動脈は脊椎の腹側に位置し、壁が厚く、拍動性があり、腹腔動脈や上腸間膜動脈が分岐する。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出題された場合、心窩部縦走査では、描出部位、描出されている血管の壁の厚さや拍動の有無(動画の場合)、呼吸性変動の有無(動画の場合)を注意深く観察し判断する。
関連知識
超音波検査における各臓器の音響特性(高エコー、低エコー、無エコー)や、血管の走行、分岐、呼吸性変動の有無などを理解することは重要である。