疾患と超音波所見の組合せで誤っているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
モザイクパターンは肝血管筋脂肪腫(AML)や一部の肝細胞癌などで見られる所見であり、肝硬変の典型的な超音波所見ではありません。肝硬変では、肝表面の凹凸不整、実質エコーの粗雑化、脾腫、腹水などが主な所見となります。他の選択肢は、それぞれの疾患における典型的な超音波所見として正しい組み合わせです。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。モザイクパターンは、肝臓に発生する線維性肝腫瘍である肝血管筋脂肪腫(AML)や、肝細胞癌で稀に見られる超音波所見であり、肝硬変の典型的所見ではありません。肝硬変では、肝表面の凹凸不整、肝実質のエコー輝度上昇や粗雑化、脾腫、腹水などが典型的所見として挙げられます。正しくは:肝硬変:肝表面の凹凸不整、実質エコーの粗雑化、脾腫、腹水など選びやすい理由:肝硬変は肝臓の構造が大きく変化する疾患であり、複雑なパターンを示すことがあるため、モザイクパターンもその一つかと誤解しやすいかもしれません。しかし、モザイクパターンは特定の良性腫瘍や悪性腫瘍に特異的な所見です。混同注意:モザイクパターンは、病理学的な組織構造の変化を反映することが多いため、肝硬変による線維化や結節形成と関連があるように錯覚する可能性があります。
- 2. 急性膵炎では、膵臓の炎症により周囲に滲出液や壊死組織由来の液体が貯留することがよくあります。これは診断の重要な所見の一つです。正しくは:適切に組合わされています。選びやすい理由:急性膵炎の初期には液体貯留が目立たないこともありますが、進行すると高頻度に観察されるため、この組み合わせは正しいです。混同注意:初期の炎症による浮腫と、後期の壊死による液体貯留とを混同することはありません。いずれも液体貯留として捉えられます。
- 3. 急性胆囊炎では、炎症によって胆囊壁が浮腫を起こし、肥厚することが典型的な超音波所見です。正しくは:適切に組合わされています。選びやすい理由:胆囊壁肥厚は慢性胆囊炎でも見られますが、急性期の炎症による浮腫性の肥厚は特に急性胆囊炎の診断基準の一つです。混同注意:胆囊壁肥厚は様々な原因で起こりますが、発熱や右季肋部痛といった臨床症状と合わせることで急性胆囊炎と診断されます。
- 4. 単純性腎囊胞は内部に液体が貯留しているため、超音波では内部が均一な無エコーとして観察されます。これは典型的な所見です。正しくは:適切に組合わされています。選びやすい理由:腎囊胞の中にエコー源性物質(出血や感染)が含まれる場合もありますが、一般的な単純性腎囊胞では内部は無エコーです。この選択肢は単純性腎囊胞を指しています。混同注意:出血性囊胞や感染性囊胞では内部にエコーが見られるため、それらと混同すると誤りだと考えるかもしれませんが、この選択肢は最も一般的な「腎囊胞」の所見を述べています。
- 5. 偽腎徴候は、消化管の壁肥厚によって、超音波画像上で腎臓のように見える構造を指します。これは大腸癌など、消化管の腫瘍や炎症性疾患でよく見られる所見です。正しくは:適切に組合わされています。選びやすい理由:偽腎徴候は消化管の疾患全般でみられる可能性があり、特定の疾患に限定されるわけではありませんが、大腸癌もその原因の一つとして正しいです。混同注意:腎臓の構造と見間違えやすいことからこの名前がついていますが、消化管病変を示す所見として理解されていれば問題ありません。
国試ポイント
超音波検査における各臓器の疾患に特有、または典型的な所見を正しく理解しているかどうかが問われています。特に、誤解しやすいまたは特定の疾患に特徴的な所見について正確な知識が求められます。
混同注意
モザイクパターンが示す疾患(肝血管筋脂肪腫、肝細胞癌の一部)と、肝硬変の典型的所見(表面不整、実質粗雑化など)を混同しやすい。また、様々な疾患で共通して見られる所見と、特定の疾患に特徴的な所見の区別が重要です。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、疾患名とそれに対応する超音波所見のリストを正確に想起できるかを確認します。特に、紛らわしい所見や複数の疾患で見られる所見については、鑑別診断のポイントも押さえる必要があります。
関連知識
超音波検査の基本的な原理、各臓器(肝臓、膵臓、胆囊、腎臓、消化管)の正常解剖と病変時の典型的所見。肝硬変の病態生理と画像所見の関連。