蟯虫で誤っているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
蟯虫(Enterobius vermicularis)は、成虫のメスが体長約8~13mmに達するのに対し、オスは体長が約2~5mmと、メスがオスよりも大幅に大きいことが特徴です。したがって、「オスの方がメスよりも体長が大きい」という記述は事実と反しています。
選択肢ごとの解説
- 1. 蟯虫は線形動物門線虫綱に属しており、線形動物の一種です。したがって、この記述は正しいです。選びやすい理由:寄生虫の基本的な分類に関する知識なので、正しい記述であると認識しやすく、誤っている選択肢を探している受験生はすぐに候補から外すでしょう。混同注意:他の寄生虫(例:吸虫、条虫)の分類と混同することが考えられます。
- 2. 女児が蟯虫に感染した場合、虫体が肛門から膣内へ侵入し、外陰炎や腟炎の原因となることがあります。したがって、この記述は正しいです。選びやすい理由:蟯虫の主な症状は肛門周囲の掻痒感であるため、腟炎の症状はやや専門的と感じて、誤っているのではないかと疑うかもしれません。しかし、事実として起こり得ます。混同注意:蟯虫感染の主要症状である肛門周囲掻痒感のみに限定して考えてしまうと、この症状を見落とす可能性があります。
- 3. 蟯虫のメスは、宿主が就寝している夜間に肛門まで移動し、肛門周囲の皮膚に虫卵を産み付けるという特徴的な産卵行動をとります。したがって、この記述は正しいです。選びやすい理由:蟯虫の生活環における重要な特徴であり、よく知られている情報です。正しい記述として容易に判断できるでしょう。混同注意:糞便中に虫卵を排出する他の寄生虫(例:回虫、鉤虫など)の産卵様式と混同することがあります。
- 4. 蟯虫症は、特に衛生環境の整備された国々を含む世界中の地域で広く感染が見られ、特に小児によくみられる一般的な寄生虫感染症です。したがって、この記述は正しいです。選びやすい理由:寄生虫によっては特定の地理的地域に限定される種類もあるため、「世界中」という表現を過剰に疑うかもしれませんが、蟯虫に関しては世界的に広く分布しています。混同注意:熱帯地域や開発途上国に感染が限定される寄生虫(例:一部の条虫や吸虫)と混同することがあります。
- 5. 正解。蟯虫の成虫は、メスが体長約8~13mmであるのに対し、オスは体長約2~5mmと、メスの方が明らかに体長が大きいです。したがって、「オスの方がメスよりも体長が大きい」という記述は誤りです。正しくは:メスの方がオスよりも体長が大きい。選びやすい理由:一般的に動物界ではオスの方がメスよりも大きい種も多く、そのイメージから深く考えずに正しいと判断してしまう可能性があります。混同注意:他の生物における雌雄の大きさの関係。寄生虫ではメスの方が大型になることが多いという知識がないと、間違えやすい選択肢です。
国試ポイント
蟯虫に関する問題では、その分類、形態的特徴(特に雌雄の大きさや尾部の形状)、生活環(感染経路、産卵場所)、主な症状、そして診断法(セロハンテープ法)といった基本的な知識が頻繁に問われます。特に形態に関しては、雌雄のサイズだけでなく、尾部の形状(メスは直線的、オスは鎌状)も識別ポイントとなります。
混同注意
他の線虫類(例:回虫、鉤虫など)の雌雄のサイズ比や形態、生活環と混同しないように注意が必要です。また、寄生虫の一般的な分類(線虫、吸虫、条虫)とそれぞれの代表的な特徴を正確に理解しておくことが重要です。
次に同じ論点が出たら
次に蟯虫に関する問題が出題された場合、以下の点に注目して判断すると良いでしょう。1. 生活環(経口感染、肛門周囲産卵、糞便中への虫卵排出はない)2. 形態的特徴(雌雄の大きさ、尾部の形状)3. 臨床症状(肛門掻痒感、女児の腟炎など)4. 診断法(セロハンテープ法)5. 治療と予防(家族同時治療、衛生管理)特に、他の一般的な線虫との違いを意識して知識を整理することが有効です。
関連知識
蟯虫の分類は線形動物門、線虫綱です。成虫は白色で細い糸状の虫体です。感染経路は虫卵の経口摂取による直接感染で、自己感染や家族内感染が多いです。主な症状は肛門周囲の激しい掻痒感(特に夜間)、不眠、神経過敏などです。女児では虫体が膣に侵入し、外陰炎や腟炎を引き起こすこともあります。診断は、肛門周囲に産卵された虫卵をセロハンテープ法で検出するのが一般的であり、糞便検査ではほとんど検出されません。治療には駆虫薬(パモ酸ピルビニウム、アルベンダゾールなど)が用いられ、家族全員の同時治療が推奨されます。