化膿性炎で多数認められる細胞はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
化膿性炎症は、主に細菌感染が原因で発生する急性炎症です。このタイプの炎症では、生体が細菌を排除するために、血液中の好中球が感染部位へ大量に遊走・集積します。好中球は強力な殺菌作用と貪食能を持ち、細菌の除去に中心的役割を果たします。その結果、死んだ好中球、細菌、組織破壊産物などが混じり合って「膿」を形成するため、化膿性炎症の病理像では多数の好中球が特徴的に観察されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 形質細胞は、主に慢性炎症や抗体産生を伴う免疫反応の場で多く見られる細胞であり、急性細菌感染による化膿性炎症の主要な構成細胞ではありません。正しくは:急性化膿性炎症で多数認められる細胞は好中球です。選びやすい理由:免疫に関わる細胞であるため、何らかの炎症反応に関与すると考えがちですが、化膿性炎症は急性で細菌性であることが特徴です。混同注意:リンパ球やマクロファージといった他の免疫細胞と、その役割や出現時期について混同される可能性があります。特に慢性炎症でよく見られます。
- 2. 好酸球は、アレルギー反応や寄生虫感染に対する生体防御において主要な役割を果たす細胞です。一般的な細菌性化膿性炎症で多数観察されることは稀です。正しくは:急性化膿性炎症で多数認められる細胞は好中球です。選びやすい理由:白血球の一種であり、炎症に関わる細胞として漠然と選んでしまう可能性があります。混同注意:他の顆粒球(好中球、好塩基球)と、それぞれの細胞が特定の病態で増加するという特徴について混同される可能性があります。
- 3. 正解。化膿性炎症は主に細菌感染によって引き起こされる急性炎症であり、好中球は細菌を貪食・殺菌するために感染部位に最も早く大量に集積します。膿の主要な成分は、死んだ好中球や細菌、破壊された組織からなるため、化膿性炎症の病変部では好中球が圧倒的に多数観察されます。
- 4. 組織球(マクロファージ)は、異物の貪食、抗原提示、炎症の終息や組織修復の過程で重要な役割を担いますが、化膿性炎症のような急性細菌感染の初期段階で最も多数見られる細胞ではありません。これらは炎症が慢性化したり、好中球が処理しきれなかったりする場合に増加します。正しくは:急性化膿性炎症で多数認められる細胞は好中球です。選びやすい理由:貪食作用を持つ細胞であり、細菌処理に関わると誤解しやすいですが、急性期には好中球が主役です。混同注意:好中球とマクロファージの役割や、急性炎症と慢性炎症における主役の違いについて混同される可能性があります。
- 5. リンパ球は、主にウイルス感染、慢性炎症、あるいは特異的な免疫反応に関与する細胞です。急性細菌感染による化膿性炎症の初期に多数認められることはありません。正しくは:急性化膿性炎症で多数認められる細胞は好中球です。選びやすい理由:免疫系の中心的な細胞であるため、炎症全般に関わると考えがちです。混同注意:急性炎症と慢性炎症、あるいは細菌感染とウイルス感染における主要な細胞応答について混同される可能性があります。
国試ポイント
炎症の種類(急性、慢性、化膿性など)と、それぞれの病態において特徴的に浸潤する細胞の種類を正確に理解しているかを問う問題です。特に、急性炎症の初期における好中球の役割は国家試験で頻繁に出題されます。
混同注意
急性炎症と慢性炎症における主要な細胞(好中球 vs. リンパ球、形質細胞、マクロファージ)の役割や出現時期、および各白血球細胞(好中球、好酸球、リンパ球など)が優位に出現する特定の病態(例:アレルギーと好酸球)について混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出題された場合、炎症の原因(細菌、ウイルス、アレルギーなど)と、それに伴う細胞応答の変化、炎症の期間(急性 vs 慢性)による主要な細胞浸潤の違い、または特定の臓器における炎症の形態と、それに伴う特徴的な細胞像が問われる可能性が高いです。
関連知識
炎症の5徴候(発赤、熱感、腫脹、疼痛、機能障害)、炎症性サイトカイン(IL-1, TNF-αなど)の役割、貪食細胞の機能とメカニズム、膿の組成と形成過程、白血球の分化と機能、細菌感染とウイルス感染の細胞応答の違い。