石灰沈着を伴いやすい腫瘍はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
髄膜腫は、その組織学的特徴として砂粒体(psammoma body)と呼ばれる層状の石灰化を高頻度に認めることで知られています。これは髄膜腫の診断における重要な所見の一つです。
選択肢ごとの解説
- 1. 脂肪腫は成熟した脂肪細胞から構成される良性の腫瘍であり、一般的に石灰化を伴うことは非常に稀です。壊死や出血、嚢胞変性を伴う場合にごく稀に石灰化が見られることもありますが、これは典型的な特徴ではありません。正しくは:脂肪腫は石灰化をほとんど伴いません。選びやすい理由:良性腫瘍であるため、長期間存在することで何らかの退行性変化が起こりうると考えるかもしれませんが、石灰化は主な変化ではありません。混同注意:他の良性腫瘍で石灰化を伴うもの(例:子宮筋腫など)と混同する可能性があります。
- 2. 正解。髄膜腫は、脳や脊髄を覆う髄膜から発生する腫瘍で、その組織学的特徴として『砂粒体(psammoma body)』と呼ばれる層状の石灰化構造を高頻度で伴うことが知られています。これは腫瘍細胞の変性や分泌物に関連して形成されます。
- 3. 肝細胞癌において石灰化が見られることは非常に稀であり、通常は腫瘍の壊死、出血、または治療後の変化(例:経カテーテル動脈塞栓術後のリピオドール沈着に伴う)に関連して二次的に生じることが多いです。典型的な診断特徴ではありません。正しくは:肝細胞癌で石灰化が見られることは稀であり、一般的な特徴ではありません。選びやすい理由:悪性腫瘍であり、急速な増殖や壊死に伴う複雑な変化を連想するかもしれませんが、石灰化は頻繁に起こる現象ではありません。混同注意:肝臓内の他の石灰化病変(例:古い結核巣、血管腫の石灰化など)と混同する可能性があります。
- 4. 子宮頸癌において石灰化が確認されることは非常に稀であり、診断上の重要な特徴とはなりません。多くの場合、治療後の変化や腫瘍内の壊死に伴う二次的なものです。正しくは:子宮頸癌で石灰化が見られることは稀であり、診断上の重要な特徴ではありません。選びやすい理由:悪性腫瘍であるため、様々な退行性変化を伴う可能性を考えるかもしれませんが、石灰化は高頻度ではありません。混同注意:子宮に発生する他の腫瘍、特に良性の子宮筋腫がしばしば石灰化を伴うため、それらと混同する可能性があります。
- 5. 悪性黒色腫はメラニン色素を産生する腫瘍であり、石灰化を伴うことは極めて稀です。石灰化は悪性黒色腫の診断特徴とはなりません。正しくは:悪性黒色腫は石灰化をほとんど伴いません。選びやすい理由:悪性度が高く、予後が不良な腫瘍であるため、複雑な組織学的変化を想像するかもしれませんが、石灰化はその中に含まれません。混同注意:他の皮膚病変(例:石灰化上皮腫など)に見られる石灰化と混同する可能性があります。
国試ポイント
この問題は、特定の腫瘍に特徴的に見られる組織学的所見、特に『石灰化』の有無やその形態に関する知識を問うものです。臨床検査技師として、画像診断や病理診断においてこれらの特徴を理解していることが重要です。
混同注意
様々な腫瘍や病変で石灰化が見られるため、それぞれの石灰化がどの病態に特徴的であるかを正確に区別することが重要です。例えば、甲状腺乳頭癌の砂粒体、卵巣漿液性嚢胞腺癌の砂粒体、子宮筋腫の変性石灰化、神経芽腫の石灰化など、多岐にわたります。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、まず『どの腫瘍が石灰化を比較的頻繁に起こすか』という基礎知識を確認します。次に、その石灰化が『良性』のものか『悪性』のものか、また『特徴的な形態(砂粒体など)』を持つかどうかに着目して判断します。
関連知識
石灰化を伴う代表的な腫瘍として、良性では子宮筋腫、奇形腫、悪性では甲状腺乳頭癌、卵巣漿液性嚢胞腺癌、神経芽腫、骨肉腫などが挙げられます。それぞれの腫瘍で石灰化の形態や機序が異なるため、これらをまとめて学習することが効果的です。