回虫卵(受精卵)より大きい虫卵はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
寄生虫卵の診断において、その大きさは重要な鑑別点の一つです。ヒト回虫の受精卵は約45-75 µm × 35-50 µmと比較的中型の卵であり、これより大きいか小さいかを判断する必要があります。選択肢の中で、肝蛭卵(約130-150 µm × 60-90 µm)は他の虫卵と比較しても、また回虫卵と比較しても顕著に大きい特徴を持っています。他の選択肢の虫卵はいずれも回虫卵より小さいか、同程度の長さでも細い形状をしています。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。肝蛭卵の大きさは約130-150 µm × 60-90 µmであり、回虫受精卵(約45-75 µm × 35-50 µm)と比較して、特に長さと幅において明らかに大きい部類に属します。
- 2. 鞭虫卵の大きさは約50-55 µm × 20-25 µmであり、回虫受精卵(約45-75 µm × 35-50 µm)と比較すると、長さは回虫卵の下限に近いものの、幅が細いため、全体的な体積としては小さいと判断されます。正しくは:鞭虫卵は回虫卵よりも細長く、体積が小さいことを理解する必要があります。選びやすい理由:長さだけを比較すると回虫卵の最小サイズと重なる部分があるため、大きさの判断を誤る可能性があります。また、両者とも土壌伝播型寄生虫であるため、混同しやすいです。混同注意:回虫卵と鞭虫卵は、どちらも腸管寄生性線虫の卵であり、便検査で同時に検出されることも多いため、サイズを混同しやすいです。
- 3. 肝吸虫卵の大きさは約26-30 µm × 15-17 µmであり、回虫受精卵(約45-75 µm × 35-50 µm)と比較して、はるかに小さいサイズの卵です。正しくは:肝吸虫卵は、回虫卵よりも明らかに小さいことを理解する必要があります。選びやすい理由:「吸虫卵」という分類から、肝蛭卵のように大きいイメージを持つかもしれませんが、肝吸虫卵は吸虫卵の中でも特に小型の部類に入ります。このため、他の吸虫卵のサイズと混同してしまいがちです。混同注意:肝吸虫卵は、横川吸虫卵と大きさや形態が酷似しており、しばしば混同されます。また、吸虫卵という分類で、大型の肝蛭卵とサイズを混同することがあります。
- 4. 無鉤条虫卵の大きさは約30-45 µm(ほぼ球形)であり、回虫受精卵(約45-75 µm × 35-50 µm)と比較して小さいです。条虫卵は有鉤条虫卵もほぼ同じ大きさであり、鑑別は困難です。正しくは:無鉤条虫卵は回虫卵よりも小さいことを理解する必要があります。選びやすい理由:条虫の成虫が非常に大きいことから、その卵も大きいと誤解する可能性があります。しかし、条虫の卵は意外と小型です。混同注意:成虫の大きさから卵の大きさを類推しようとして、誤った判断をしてしまうことがあります。また、条虫卵のサイズは種によらず比較的均一であるため、特定の条虫の卵として捉えにくい場合があります。
- 5. 横川吸虫卵の大きさは約26-30 µm × 15-17 µmであり、回虫受精卵(約45-75 µm × 35-50 µm)と比較して、はるかに小さいサイズの卵です。肝吸虫卵と酷似しています。正しくは:横川吸虫卵は、回虫卵よりも明らかに小さいことを理解する必要があります。選びやすい理由:肝吸虫卵と同様に、「吸虫卵」という分類から、肝蛭卵のような大型の吸虫卵と混同し、大きいイメージを持つかもしれませんが、実際は小型です。混同注意:横川吸虫卵は、肝吸虫卵と大きさや形態が酷似しており、鑑別が非常に困難なため、両者を混同しやすいです。また、吸虫卵という分類で、大型の肝蛭卵とサイズを混同することがあります。
国試ポイント
臨床検査技師国家試験では、主要な寄生虫卵の形態的特徴(大きさ、形、殻の厚さ、蓋の有無など)を正確に理解し、相互に鑑別できる能力が問われます。特に回虫卵は比較的頻繁に検出されるため、そのサイズを基準として、他の虫卵との大小関係を判断させる問題がよく出題されます。
混同注意
寄生虫卵の大きさはμm単位で非常に小さいため、数字だけを覚えるのではなく、代表的な虫卵(例:回虫卵)を基準として、他の虫卵がそれより大きいか小さいか、という相対的な関係性をイメージで捉えることが重要です。特に、鞭虫卵は回虫卵と長さが重なる部分があるため、幅や形状(樽型)の違いで識別する必要があります。また、肝吸虫卵と横川吸虫卵は極めて酷似しており、鑑別が非常に困難です。条虫卵は成虫が大きいわりに卵は比較的小型である点も、混同しやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
この問題で問われた論点について、次に同じような問題が出題された場合、主要な寄生虫卵の大きさ(特に回虫卵を基準とした大小関係)を即座に判断できるか、また、各虫卵の形態的特徴(小蓋の有無、形状など)も合わせてイメージできるかを確認しましょう。写真問題で出題されることも多いため、それぞれの虫卵の実際の顕微鏡像を頭に描けるようにしておくことが望ましいです。
関連知識
主要な寄生虫卵の大きさの目安として、最小級の日本住血吸虫卵(約70-90 µm × 40-60 µm、ただし側棘があるため実質的に長い)、肝吸虫卵・横川吸虫卵(約26-30 µm × 15-17 µm)、広節裂頭条虫卵(約70 µm × 50 µm)や肝蛭卵(約130-150 µm × 60-90 µm)が大型であることなどを総合的に理解しておくことが重要です。また、形状(円形、楕円形、樽型、洋ナシ型など)、小蓋の有無、殻の構造(厚さ、表面の性状)、内容物(幼虫、卵割)なども鑑別の重要なポイントとなります。