精液検査で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
精子の運動率は時間とともに低下するため、精液の液化が確認された後、速やかに(WHOの基準では1時間以内が推奨)測定することが重要です。これにより、最も正確な運動能力を評価できます。
選択肢ごとの解説
- 1. 精液検査の検体採取は、通常2~7日間の禁欲期間を設けて1回行われます。連続採取は推奨されません。正しくは:検体は2~7日間の禁欲期間を設けて採取する。選びやすい理由:精液検査は変動が大きいため、複数回採取が必要という知識と混同しやすいですが、その場合でも通常は間隔を空けて行われます。混同注意:精液検査の精度を高めるために複数回検査が必要な場合があることと、連続採取の誤解。
- 2. 精液検体は冷蔵すると精子の運動性が著しく低下するため、冷蔵保存は不適切です。体温に近い温度で保温し、速やかに検査する必要があります。正しくは:採取した検体は室温(20~37℃)で保温し、速やかに検査室へ搬送する。選びやすい理由:他の多くの検体(尿や血液など)は冷蔵保存が推奨されるため、一般的な検体保存の知識と混同しやすいです。混同注意:一般的な検体の保存方法と精液検体の特殊性。
- 3. 精液は採取後、通常15~60分で液化します。液化が完了する前に測定を行うと、正確な濃度が測定できません。10分以内では液化が不十分な可能性が高いです。正しくは:精子濃度の測定は、液化が完了した約30~60分後に行う。選びやすい理由:精子の運動性が時間の経過とともに低下するため、迅速な検査が必要という知識と混同する可能性があります。しかし、濃度測定は液化が前提となります。混同注意:液化時間と検査開始までの時間。
- 4. 正解。精子の運動性は時間経過とともに低下するため、正確な評価のためには採取・液化後、可能な限り早く、世界保健機関(WHO)の推奨に従い1時間以内に測定する必要があります。
- 5. WHOの基準では、精子濃度の基準範囲(下限)は1500万/mL(1.5 × 10^7/mL)以上です。1.5 × 10^6/mL(150万/mL)では少なすぎます。正しくは:精子濃度の基準値は1.5 × 10^7/mL以上である。選びやすい理由:数字が似ているため、万と百万の単位を混同しやすいです。混同注意:150万/mLと1500万/mL(1.5 × 10^6/mLと1.5 × 10^7/mL)。
国試ポイント
精液検査における検体採取、保存、各測定項目(特に液化時間、濃度、運動率)の適切な手順と基準値に関する知識が問われています。基本的な検査手技と国際的な基準(WHOガイドライン)を理解していることが重要です。
混同注意
精液検査は、一般的な臨床検体とは異なる特別な取り扱いが求められるため、他の検体の保存方法(冷蔵など)や、液化が完了する前に検査を開始してしまう点、あるいは基準値の単位間違いなど、細かな点で混同しやすい傾向があります。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出題された場合、精液検査の各項目におけるWHO基準値(特に最新版)と、検体採取から検査実施までの時間的制約や温度管理に関する具体的な数値・条件が問われる可能性が高いです。また、異常所見とその臨床的意義も確認しておきましょう。
関連知識
精液検査では、精液量、pH、液状化時間、精子濃度、総精子数、精子運動率、精子正常形態率、精子生存率、白血球数などが評価されます。これらの各項目にはWHOが定めた基準値があり、それらを正確に記憶しておく必要があります。特に、液化と測定までの時間、適切な温度管理は必須の知識です。