溶血性貧血で低下または減少するのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
溶血性貧血では、赤血球が破壊されることで血中に遊離ヘモグロビンが増加します。血清ハプトグロビンは遊離ヘモグロビンと特異的に結合し、網内系で処理されるため、溶血が亢進するとハプトグロビンが大量に消費され、その血中濃度が低下します。したがって、血清ハプトグロビンは溶血性貧血の重要な指標の一つであり、減少する項目として正しいです。
選択肢ごとの解説
- 1. 溶血性貧血では赤血球が破壊され、細胞内のLDが血中に放出されるため、血清LD値は上昇します。正しくは:血清LDは上昇する。選びやすい理由:LDは肝疾患などでも上昇するため、貧血との関連性がすぐに結びつかないと誤答しやすいかもしれません。混同注意:LDが上昇する他の病態(心筋梗塞、肝炎など)
- 2. 溶血性貧血では赤血球が過剰に破壊されるため、骨髄がその代償として赤血球の産生を促進し、網赤血球数(未熟な赤血球)は増加します。正しくは:網赤血球数は増加する。選びやすい理由:貧血というと全体的に血球が少ないイメージがあるため、網赤血球も減少すると思ってしまうかもしれません。混同注意:再生不良性貧血など、骨髄の造血能が低下している貧血
- 3. 正解。ハプトグロビンは、溶血によって血中に遊離したヘモグロビンと結合し、その処理を促進するタンパク質です。溶血性貧血では大量のヘモグロビンと結合するために消費され、その結果、血清中のハプトグロビン濃度は低下します。選びやすい理由:ハプトグロビンの機能を知らないと判断が難しい可能性があります。
- 4. 赤血球が破壊されると、ヘモグロビンが代謝されて間接ビリルビン(非抱合型ビリルビン)が大量に生成されるため、血清間接ビリルビン値は上昇します。正しくは:血清間接ビリルビンは上昇する。選びやすい理由:ビリルビン代謝が複雑なため、直接ビリルビンと混同してしまいやすいかもしれません。混同注意:直接ビリルビン、または肝臓での抱合能低下によるビリルビン上昇
- 5. 溶血によって間接ビリルビンの生成が増加すると、それが肝臓で抱合され腸管に排泄されます。腸内細菌によってこの抱合型ビリルビンがウロビリノゲンに変換される量も増加するため、尿中ウロビリノゲンは増加します。正しくは:尿中ウロビリノゲンは増加する。選びやすい理由:肝機能障害と関連付けることで、誤って減少すると考えてしまうかもしれません。混同注意:胆道閉塞など、ウロビリノゲンが減少する病態
国試ポイント
溶血性貧血の診断マーカーについて、その変動方向(上昇/低下/増加/減少)を正確に理解しているかを問う問題です。各検査項目が溶血によってどのように変化するかを、生理学的・生化学的機序に基づいて判断する必要があります。
混同注意
溶血性貧血で上昇する項目(LD、間接ビリルビン、網赤血球数、尿中ウロビリノゲン、血清非抱合型ビリルビン、赤血球破壊産物など)と、低下する項目(ハプトグロビン、赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット値など)を混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
溶血性貧血の鑑別診断において、どの検査項目が陽性/陰性、上昇/低下を示すかを説明できるか。特に、どの指標が血管内溶血に特異的か、どの指標が溶血全般でみられるかを区別できるか。
関連知識
溶血性貧血の種類(血管内溶血、血管外溶血)、溶血のメカニズム、ビリルビン代謝経路、ヘモグロビン代謝、骨髄の造血機能と網赤血球の関係、その他の溶血マーカー(例: 遊離ヘモグロビン、尿中ヘモジデリン、血清メトヘモグロビン)についても理解しておくことが重要です。