Giemsa染色で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
ギムザ染色は、ライト染色やメイ・グリュンワルド染色と同様に、ロマノフスキー染色の変法であり、細胞の核や細胞質、顆粒などの構造を異なった色調に染め分けることで、細胞の微細構造を観察するために用いられる。この染色法自体には標本の倍率を拡大する機能はなく、観察される細胞のサイズは顕微鏡の倍率に依存する。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。ギムザ染色そのものに細胞を拡大する機能はない。細胞の拡大観察は顕微鏡の光学機能によるものである。選びやすい理由:ギムザ染色を行う目的が細胞を詳しく観察することであるため、染色自体が拡大機能を持つと誤解しやすい。混同注意:顕微鏡の倍率機能と染色の視認性向上機能を混同している。
- 2. ギムザ染色では、通常、標本はスライドガラスにしっかりと塗抹・固定されているため、染色操作中に容易に剥がれ落ちることはない。適切な固定処理が重要である。正しくは:適切な固定により、細胞標本はスライドガラスに安定して接着されるため、剥がれ落ちにくい。選びやすい理由:染色操作は洗浄などの工程を含むため、標本が剥がれるリスクがあると考えてしまう。混同注意:適切な固定操作の重要性と、未固定標本の不安定さを混同している。
- 3. ギムザ染色後の標本の封入には、通常、屈折率がガラスに近い非水溶性の封入剤(例:エンテラン、カナダバルサム)が使用される。これは、水溶性の封入剤では経時的な退色や標本の劣化が起こりやすいためである。正しくは:ギムザ染色後の封入には、非水溶性の封入剤を使用する。選びやすい理由:水溶性の封入剤も存在するが、それは特殊な場合や一時的な観察に用いられることが多いため、一般的に非水溶性封入剤が用いられることを知らないと選択しやすい。混同注意:水溶性封入剤と非水溶性封入剤の使い分けを混同している。
- 4. ギムザ染色では、細胞の形態を保つために湿固定が重要だが、一般的にメイ・グリュンワルドギムザ染色などではメタノール(乾燥固定)が用いられることが多く、95%エタノールは一般的な湿固定剤としては使われない。エタノールは細胞を収縮させる効果が強い。正しくは:ギムザ染色で血液細胞などを固定する場合、一般的にはメタノールによる乾燥固定が行われる。選びやすい理由:アルコール類が固定剤として広く用いられるため、エタノールが適当な固定剤だと考えてしまう。混同注意:異なる固定剤(メタノール、エタノールなど)の使い分けや、湿固定と乾燥固定の違いを混同している。
- 5. ギムザ染色は、角化細胞を黄橙色に染め分ける機能はない。この染色は細胞の核は青紫色、細胞質は赤色や桃色に染め分けるもので、血液細胞の鑑別などに適している。正しくは:ギムザ染色では、角化細胞は特殊な色に染め分けられることはない。核は青紫色、細胞質は赤色・桃色に染まる。選びやすい理由:特定の色に染まる細胞があるという知識から、角化細胞が特定のギムザ染色色を呈すると誤解しやすい。混同注意:パパニコロウ染色など、他の細胞診染色における角化細胞の色調と混同している。
国試ポイント
ギムザ染色の原理と、血液細胞や寄生虫などの病原体の染色における応用について覚える必要がある。特に、細胞の構成成分が異なるpHで異なる色素と結合する点、湿固定の重要性、および乾燥固定との違いを理解することが重要である。
混同注意
ギムザ染色は標本を拡大する機能を持つものではなく、顕微鏡の光学的な拡大機能と混同しやすい。また、標本の固定方法(湿固定と乾燥固定)や封入剤の種類についても混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
ギムザ染色に関する問題が出た場合、その染色が「何のために」「どのような原理で」「どのような手順で」行われるかを確認し、特に「細胞の形態観察」や「微細構造の識別」が主な目的である点を判断の基準とする。
関連知識
ギムザ染色は、血液細胞の形態観察、骨髄細胞の鑑別、寄生虫(マラリア原虫など)や細菌(スピロヘータなど)の検出に用いられる。その他、染色液の構成成分(アズールB、エオシンYなど)とそれらが細胞成分に与える影響(酸性色素は塩基性成分に、塩基性色素は酸性成分に結合)を理解することが重要である。