胃癌摘出時の郭清リンパ節標本(別冊No. 10)を別に示す。染色法はどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
画像はリンパ節転移巣の病理標本で、青色に染まっているのは腺癌細胞が産生する酸性ムチンです。アルシアンブルー染色(pH2.5)は酸性ムチンを青色に染め出すため、胃癌のリンパ節転移の診断に有用です。
選択肢ごとの解説
- 1. PAS反応は中性ムチン、グリコーゲン、基底膜などを赤紫色に染め出します。画像は青色に染まっているため、PAS反応ではありません。正しくは:PAS反応では、画像中の細胞内のムチンは赤紫色に染まります。選びやすい理由:ムチンを染め出す特殊染色法の一つであるため、混同しやすいです。混同注意:アルシアンブルー染色(酸性ムチンを青色に染める)
- 2. ベルリンブルー染色はヘモジデリン(鉄)を青緑色に染め出します。画像中の青色部分はムチンであり鉄ではありません。正しくは:ベルリンブルー染色では、鉄沈着があれば青緑色に染まります。選びやすい理由:「青色」という色調から、漠然と青色に染まるベルリンブルー染色を連想する可能性があります。混同注意:アルシアンブルー染色(酸性ムチンを青色に染める)
- 3. 正解。アルシアンブルー染色(pH2.5)は酸性ムチンを青色に染め出すため、胃癌細胞が産生する酸性ムチンを検出するのに適しており、画像の所見と一致します。選びやすい理由:正答のため、選択肢を選びやすいです。
- 4. ムチカルミン染色は主に酸性ムチンや一部の中性ムチンを赤色〜赤褐色に染め出します。画像は青色に染まっているため、ムチカルミン染色ではありません。正しくは:ムチカルミン染色では、画像中の細胞内のムチンは赤色〜赤褐色に染まります。選びやすい理由:ムチンを染め出す特殊染色法であるため、混同しやすいです。混同注意:アルシアンブルー染色(酸性ムチンを青色に染める)
- 5. トルイジンブルー染色は、肥満細胞の顆粒に含まれるヘパリンなどを異染性(青色から紫色)に染め出します。画像中の青色部分は肥満細胞ではなく腺癌細胞の産生するムチンです。正しくは:トルイジンブルー染色では、肥満細胞の顆粒が異染性で青紫色に染まります。選びやすい理由:「青色」という色調から、漠然と青色に染まるトルイジンブルー染色を連想する可能性があります。また、異染性という特徴的な染色性も覚えやすいため、知識の引き出しから出てきやすい可能性があります。混同注意:アルシアンブルー染色(酸性ムチンを青色に染める)
国試ポイント
病理組織学的特殊染色法の目的と染色性について、画像所見と結びつけて理解しているか。
混同注意
アルシアンブルー染色は酸性ムチンを特異的に染め出すのに対し、PAS反応は中性ムチンやグリコーゲン、ムチカルミン染色は主に酸性ムチンを染め出しますが、アルシアンブルーの方がより特異性が高いとされています。トルイジンブルーは肥満細胞の顆粒(ヘパリンなど)を異染性で染めます。
次に同じ論点が出たら
今後同様の画像問題が出題された際は、青色に染まっている細胞内・細胞外の粘液成分の有無と、その色調に注目し、どの染色法がその物質を特異的に染め出すかを判断します。
関連知識
胃癌はムチン産生性の腺癌が多く、そのムチンは酸性ムチンであることが多いため、アルシアンブルー染色は胃癌の診断や転移巣の検出に広く用いられます。H. pylori感染と胃癌の関連性も重要です。