38歳の女性。発熱を主訴に来院した。間接蛍光抗体法による抗核抗体検査所見(別冊No. 19)を別に示す。 この所見の染色パターンはどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
別冊No. 19の間接蛍光抗体法による抗核抗体検査所見は辺縁型(peripheral pattern)です(公式正答2)。辺縁型は核の辺縁が強く染まるパターンで、抗DNA抗体(抗dsDNA抗体)で認められ、全身性エリテマトーデス(SLE)に特異性が高い所見です(問80)。
選択肢ごとの解説
- 1. 斑紋型は、核内に多数の顆粒状の蛍光パターンが観察されるものです。核膜が縁取られる所見ではありません。正しくは:核内に顆粒状の蛍光パターンが観察される。選びやすい理由:抗核抗体には様々なパターンがあり、斑紋型も一般的なパターンであるため、名称を知っていると誤って選んでしまう可能性があります。混同注意:均質型、核小体型など、他の核内染色パターンと混同しやすいです。
- 2. 正解。辺縁型(rim pattern / peripheral pattern)は、核膜の内側が均一に蛍光を発し、核の輪郭がはっきりと強調される染色パターンを指します。これは、核膜に存在する抗原(例: DNA-ヒストン複合体)に対する抗体によって生じます。設問の「核膜が明瞭に縁取られるように染まる」という記述に最も合致します。正しくは:この選択肢は正しいです。選びやすい理由:正しい選択肢です。混同注意:他の核内染色パターン(均質型など)と似て見えますが、辺縁型は特に核膜に沿ったパターンを示します。
- 3. 核小体型は、核内の核小体(nucleolus)のみが強く染色されるパターンです。核膜が縁取られる所見とは異なります。正しくは:核小体が強く染色される。選びやすい理由:核内の構造の一つである核小体が染色されるパターンであるため、核内のパターンという点では共通しています。混同注意:核小体以外の核内構造が染色されるパターン(均質型、斑紋型など)と混同しやすいです。
- 4. 細胞質型は、核ではなく細胞質全体が染色されるパターンです。設問は核の染色パターンについて尋ねています。正しくは:細胞質全体が染色される。選びやすい理由:抗細胞質抗体によって生じるパターンであり、抗核抗体パターンとは全く異なることを理解していないと、選択肢として考慮してしまう可能性があります。混同注意:抗核抗体のパターンではなく、抗細胞質抗体のパターンです。ANA(抗核抗体)以外の自己抗体検査で観察されるパターンと混同しやすいです。
- 5. 散在斑紋型は、核全体に粗大な斑紋が散らばるように染まるパターンです。核膜が縁取られる所見ではありません。正しくは:核全体に粗大な斑紋が散在する。選びやすい理由:斑紋型の一種であり、抗核抗体の一般的なパターンの一つであるため、名称を知っていると誤って選んでしまう可能性があります。混同注意:通常の斑紋型や、その他の核内顆粒状パターンと混同しやすいです。
国試ポイント
抗核抗体検査における免疫蛍光染色の各パターンとその特徴、関連する疾患・抗体を正確に区別できるかが問われています。特に、主要なパターン(均質型、斑紋型、核小体型、辺縁型)の視覚的な特徴と言葉での説明を結びつけられることが重要です。
混同注意
均質型(homogenous pattern)は核全体が均一に染まるため、辺縁型と区別がつきにくい場合がありますが、辺縁型は特に核膜の縁が強調される点が異なります。また、核膜に結合する抗体以外の核内構造を染色するパターン(斑紋型など)とも混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、まず染色部位が核内か細胞質かを確認し、次に核内の場合は均一か、顆粒状か、核小体のみか、核膜に沿っているか、といった視覚的特徴を言葉と結びつける能力が問われます。
関連知識
抗核抗体検査は自己免疫疾患の診断に不可欠な検査であり、その染色パターンは疾患のスクリーニングや診断の手がかりとなります。各パターンに対応する主要な抗原、関連する疾患、そして抗体の種類(例: 均質型 → 抗DNA抗体、抗ヒストン抗体;斑紋型 → 抗Sm抗体、抗RNP抗体、抗SS-A/Ro抗体、抗SS-B/La抗体;核小体型 → 抗RNAポリメラーゼI/III抗体、抗U3-RNP抗体;辺縁型 → 抗DNA抗体、抗ヒストン抗体)を理解しておくことが重要です。