温度依存性蛋白はどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・4番
解説
パイログロブリンは加熱により不可逆的に凝固沈殿する異常なグロブリンであり、Bence Jones蛋白は特定の温度範囲(50~60℃で沈殿、100℃で再溶解、冷却で再沈殿)で特徴的な溶解・凝集挙動を示すため、これらはいずれも「温度依存性蛋白」に該当します。
選択肢ごとの解説
- 1. ヘモペキシンはヘムと結合し、溶血時に増加する急性期反応物質ですが、温度によってその性状が変化する(沈殿・溶解する)特性は一般的に知られていません。正しくは:このタンパク質は通常、温度依存性を示しません。選びやすい理由:急性期反応物質として病態と関連があるため、何らかの異常な性質を持つと誤解されやすいかもしれません。混同注意:パイログロブリンやBence-Jones蛋白のように、特定の条件下で凝集する異常なタンパク質と混同する可能性があります。
- 2. ハプトグロビンは遊離ヘモグロビンと結合する急性期反応物質であり、溶血性貧血などで変動しますが、温度依存性の凝集・溶解特性は持ちません。正しくは:このタンパク質は通常、温度依存性を示しません。選びやすい理由:ヘモペキシンと同様に、急性期反応物質であり、疾患によって変動するため、特別な物理化学的性質を持つと誤解されやすいかもしれません。混同注意:他の急性期反応物質や、異常な物理化学的特性を持つタンパク質と混同する可能性があります。
- 3. 正解。パイログロブリンは、加熱すると不可逆的に凝固・沈殿する異常なグロブリンです。この「加熱による凝固」という性質は、明確な温度依存性を示します。
- 4. 正解。Bence Jones蛋白は、多発性骨髄腫などで産生される異常な免疫グロブリン軽鎖で、約50~60℃で凝集・沈殿し、さらに100℃まで加熱すると再溶解し、冷却すると再び沈殿するという特徴的な温度依存性の溶解・凝集挙動を示します。
- 5. α1-アンチトリプシンはプロテアーゼ阻害作用を持つ急性期反応物質であり、その遺伝的異常は肺気腫などを引き起こしますが、温度によって沈殿や溶解の挙動を示すタンパク質ではありません。正しくは:このタンパク質は通常、温度依存性を示しません。選びやすい理由:これも急性期反応物質であり、疾患との関連で重要であるため、他の異常蛋白と混同されやすい可能性があります。混同注意:他の急性期反応物質や、特定の病態で異常な凝集を示すタンパク質と混同する可能性があります。
国試ポイント
本問題は、異常な血漿タンパク質や尿中タンパク質の物理化学的性質、特に温度による性状変化に関する知識を問うものです。パイログロブリンやBence Jones蛋白の具体的な温度依存性の挙動を正確に理解し、他のタンパク質との違いを識別できるかが重要となります。
混同注意
特にクリオグロブリン(低温で沈殿、加温で溶解)とパイログロブリン(加熱で不可逆的に凝固沈殿)、Bence Jones蛋白(特定の温度で沈殿・再溶解)の三者の違い、およびそれぞれの特性と出現疾患を混同しないように注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出題された場合、クリオグロブリンとパイログロブリンの厳密な定義とその温度挙動の違い、Bence Jones蛋白の検出意義と特徴的な温度挙動を確実に識別できるか、各異常蛋白がどのような疾患で認められるかを重点的に確認すると良いでしょう。
関連知識
多発性骨髄腫、Waldenströmマクログロブリン血症、自己免疫疾患など、これらの異常タンパク質が出現する主な疾患についての知識。また、尿中蛋白の定性検査や免疫電気泳動などの検査法との関連性も重要です。急性期反応物質の種類とその生理的役割についても復習しておくとよいでしょう。