感覚神経伝導検査で異常がみられないのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉は上位および下位運動ニューロンが選択的に障害される疾患であり、感覚神経は通常障害されません。そのため、感覚神経伝導検査では異常所見を認めないのが一般的です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。ALSは運動ニューロン疾患であり、感覚神経は障害されないため、感覚神経伝導検査では異常所見を認めません。選びやすい理由:他の選択肢が全て多発神経炎であるため、神経疾患全般と混同しやすいですが、ALSは運動系に特化した疾患であることを理解していれば選択できます。混同注意:多発神経炎(感覚神経障害を伴う疾患)
- 2. 糖尿病性多発ニューロパチーは、典型的には軸索変性を主体とした感覚神経障害を呈するため、感覚神経伝導検査では振幅低下や伝導速度の軽度低下などの異常所見を認めます。正しくは:糖尿病性多発ニューロパチーでは、感覚神経伝導検査で異常所見を認めます。選びやすい理由:一般的な疾患であるため、神経系の検査を求める問題では常に選択肢として考えやすいです。混同注意:ALS(感覚障害を伴わない運動ニューロン疾患)
- 3. 慢性炎症性脱髄性多発神経炎〈CIDP〉は、脱髄性病変を特徴とするため、感覚神経伝導検査では伝導速度の著明な低下、遠位潜時の延長、F波潜時の延長などの異常所見を認めます。正しくは:CIDPでは、感覚神経伝導検査で異常所見を認めます。選びやすい理由:CIDPはギラン・バレー症候群と同様に、脱髄性疾患として有名であり、感覚神経の障害も伴います。混同注意:ALS(感覚障害を伴わない運動ニューロン疾患)
- 4. ギラン・バレー〈Guillain-Barré〉症候群は、急性炎症性脱髄性多発神経炎であり、運動神経だけでなく感覚神経も障害されるため、感覚神経伝導検査では異常所見を認めます。正しくは:ギラン・バレー症候群では、感覚神経伝導検査で異常所見を認めます。選びやすい理由:急性発症の神経麻痺としてよく知られており、感覚障害も伴うため、誤って選択しがちです。混同注意:ALS(感覚障害を伴わない運動ニューロン疾患)
- 5. シャルコー・マリー・トゥース〈Charcot-Marie-Tooth〉病は、遺伝性の末梢神経障害であり、感覚神経も障害されるため、感覚神経伝導検査では異常所見(特に伝導速度の低下や振幅低下)を認めます。正しくは:シャルコー・マリー・トゥース病では、感覚神経伝導検査で異常所見を認めます。選びやすい理由:遺伝性疾患であり、ゆっくり進行するため、一見すると異常が見過ごされやすいかと考えがちですが、電気生理学的には明確な異常を呈します。混同注意:ALS(感覚障害を伴わない運動ニューロン疾患)
国試ポイント
神経疾患における障害部位(運動神経、感覚神経、脱髄、軸索変性)と電気生理学的所見の関連を理解すること。
混同注意
ALSは運動ニューロン疾患であり感覚障害を呈さない点で、感覚障害を伴う多発神経炎(糖尿病性ニューロパチー、CIDP、ギラン・バレー症候群、CMT病など)と区別が必要です。
次に同じ論点が出たら
感覚神経の異常所見の有無が問われた場合、運動ニューロン疾患であるALSと、感覚神経が障害される多発神経炎を明確に区別して判断する。
関連知識
ギラン・バレー症候群とCIDPはともに炎症性脱髄性疾患であり、運動神経と感覚神経の両方に障害がみられます。糖尿病性多発ニューロパチーやシャルコー・マリー・トゥース病は感覚神経も障害されます。