血清にウレアーゼを反応させたところ17 mg/dLのアンモニアが生じた。この血清中の尿素窒素濃度[mg/dL]はどれか。ただし、アンモニア〈NH3〉の分子量を17、尿素〈(NH2)2CO〉の分子量を60とする。
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出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
尿素1分子(分子量60)がウレアーゼによって加水分解されると、2分子のアンモニア(NH₃)と1分子の二酸化炭素(CO₂)が生成されます。アンモニアの分子量が17であるため、尿素60 mgからはアンモニアが2 × 17 = 34 mg生成されることになります。問題でアンモニアが17 mg/dL発生したとあるので、これは尿素30 mg/dLに相当します。尿素窒素(BUN)は尿素中の窒素成分のみを指し、尿素1分子には2つの窒素原子が含まれるため、尿素の分子量60のうち窒素原子2つ分の分子量(14 × 2 = 28)が尿素窒素に該当します。したがって、尿素濃度30 mg/dLの場合、尿素窒素濃度は 30 mg/dL × (28/60) = 14 mg/dLとなります。
選択肢ごとの解説
- 1. 尿素窒素濃度の計算式を誤っている。尿素1分子からアンモニア2分子が生成されること、および尿素分子中の窒素原子の割合を考慮できていない。正しくは:アンモニア17 mg/dLは尿素30 mg/dLに相当し、尿素窒素は30 × (28/60) = 14 mg/dL。選びやすい理由:アンモニアの分子量17と尿素中の窒素分子量14が近く、単純な比例計算を試みてしまう可能性がある。混同注意:アンモニア濃度と尿素窒素濃度の直接的な換算。尿素1分子中の窒素が2原子であることを考慮し忘れる。
- 2. 正解。尿素1分子(分子量60)からはアンモニア2分子(分子量34)が生成される。アンモニア17 mg/dLが発生したということは、尿素が30 mg/dL存在していたことになる(17 ÷ 34 × 60 = 30)。尿素窒素は尿素中の窒素部分であり、尿素分子量60に対して窒素分子量28(14×2)の割合であるため、30 mg/dL × (28/60) = 14 mg/dLとなる。選びやすい理由:正確な計算過程を踏めばこの答えにたどり着くため、特別な誤解釈はない。
- 3. 尿素窒素濃度の計算式を誤っている。尿素1分子からアンモニア2分子が生成されること、および尿素分子中の窒素原子の割合を考慮できていない。正しくは:アンモニア17 mg/dLは尿素30 mg/dLに相当し、尿素窒素は30 × (28/60) = 14 mg/dL。選びやすい理由:尿素分子とアンモニア分子の比率や窒素原子の比率を間違って認識し、単純な倍率で計算してしまう。混同注意:尿素濃度と尿素窒素濃度、あるいは尿素とアンモニアの分子量比の計算間違い。
- 4. 尿素窒素濃度の計算式を誤っている。尿素1分子からアンモニア2分子が生成されること、および尿素分子中の窒素原子の割合を考慮できていない。正しくは:アンモニア17 mg/dLは尿素30 mg/dLに相当し、尿素窒素は30 × (28/60) = 14 mg/dL。選びやすい理由:尿素濃度を求める際に、アンモニア17 mg/dLを尿素の分子量60とアンモニア分子量17で単純に割るなど、誤った比率で計算してしまう。混同注意:尿素中の窒素原子の数を考慮しない、またはウレアーゼ反応におけるアンモニア生成数を考慮しない誤った計算。
- 5. 尿素窒素濃度の計算式を誤っている。尿素1分子からアンモニア2分子が生成されること、および尿素分子中の窒素原子の割合を考慮できていない。正しくは:アンモニア17 mg/dLは尿素30 mg/dLに相当し、尿素窒素は30 × (28/60) = 14 mg/dL。選びやすい理由:アンモニア量から尿素量を推定する際に、アンモニアの2分子生成を見落としたり、尿素窒素の換算係数を誤って計算したりする。混同注意:尿素とアンモニアの分子量比、および尿素中の窒素の割合に関する複数の計算ミス。
国試ポイント
尿素からアンモニアへの代謝経路と、尿素・尿素窒素・アンモニアの分子量比を正確に理解し、濃度計算に適用できるか。
混同注意
尿素濃度と尿素窒素濃度は混同しやすい。尿素窒素は尿素分子中の窒素部分のみを指すため、数値が異なる。また、アンモニアと尿素のモル比、分子量比の計算を誤りやすい。
次に同じ論点が出たら
ウレアーゼ反応における尿素とアンモニアの生成比(1:2)と、尿素の分子量(60)中の窒素の割合(28/60)を正しく適用できているかを確認する。
関連知識
腎機能評価指標(eGFR、クレアチニン)、肝性脳症におけるアンモニア上昇の意義、尿素回路。