酵素抗体法について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
ポリマー法は、従来の標識法に比べて多くの酵素分子を二次抗体に結合させることが可能であるため、検出感度が非常に高いという特徴があります。これにより、微量の抗原でも検出できるようになり、よりクリアな染色像が得られます。
選択肢ごとの解説
- 1. 酵素抗体法は凍結切片にも適用可能です。組織の抗原性を保持しやすいため、特定の抗原検出に有用な場合があります。正しくは:凍結切片にも適用可能です。選びやすい理由:パラフィン包埋切片での使用が一般的であるため、凍結切片では行わないと誤解しやすいかもしれません。しかし、凍結切片は免疫組織化学検査において広く用いられる手法です。混同注意:パラフィン包埋切片と凍結切片の使い分け、それぞれの前処理の違い。
- 2. 正解。ポリマー法(EnVision法など)は、酵素分子が多数結合したポリマーを二次抗体に結合させることで、単位抗原あたりの酵素量を増やし、結果として発色を増強するため、従来のABC法などに比べて感度が高いとされています。
- 3. 抗原賦活化のための熱処理後は、徐々に冷却することが推奨されます。急激な冷却は組織の損傷や、抗原性への悪影響を与える可能性があります。正しくは:加熱処理後は徐々に冷却します。選びやすい理由:組織の変性を防ぐために早く冷やすべきだと考えがちですが、組織へのストレスを考慮すると徐冷が適切です。混同注意:DNAやRNAの抽出における冷却の考え方。
- 4. 酵素抗体法では、一次抗体と二次抗体は段階的に反応させます。まず一次抗体を反応させて抗原に結合させ、次に未結合の一次抗体を洗い流した後で二次抗体を反応させます。これらを混和して一度に反応させると、非特異的な結合が増えたり、抗体間の相互作用により抗原への結合効率が低下したりする可能性があります。正しくは:一次抗体を反応させた後、二次抗体を反応させます。選びやすい理由:プロトコールを簡略化したいという発想から、同時に反応させても良いと誤解するかもしれません。しかし、抗体反応は段階的に行うのが原則です。混同注意:免疫沈降法など、抗体と抗原を同時に混合する他の免疫学的手法。
- 5. 内因性ペルオキシダーゼは、目的の酵素(HRPなど)と同じ基質で発色するため、発色反応の前に除去する必要があります。除去しないと、非特異的な染色が生じ、結果の解釈が困難になります。正しくは:内因性ペルオキシダーゼは、発色反応の前に除去します。選びやすい理由:発色後のコントロールとして考えてしまうかもしれませんが、非特異染色を防ぐためには前処理が必須です。混同注意:酵素抗体法の各ステップの目的と順序。
国試ポイント
酵素抗体法の各ステップ(前処理、抗体反応、検出)の目的、適切な操作、および原理を理解しているかが問われています。特に、ポリマー法の利点や内因性酵素の除去の重要性は頻出です。
混同注意
免疫組織化学における様々な標識方法(直接法、間接法、ABC法、ポリマー法など)の原理と感度の違い。また、抗原賦活化の目的と正しい手順。
次に同じ論点が出たら
次に類似の問題が出た場合、各標識法の感度の比較、内因性酵素処理の必要性、抗原賦活化の適切な手順、および非特異反応を抑制するための対策について知識を確認します。
関連知識
免疫組織化学、免疫細胞化学、HRP (Horse Radish Peroxidase) の性質、DAB発色、抗体の種類と機能(一次抗体、二次抗体)、非特異反応の除去方法。