H-E染色標本(別冊No. 7)を別に示す。この臓器はどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
画像は多数の濾胞構造を示しており、これらの濾胞はゼラチン状のコロイドで満たされています。濾胞上皮は立方上皮で、甲状腺ホルモンを合成・分泌する機能単位です。この特徴的な組織像は甲状腺に固有のものです。
選択肢ごとの解説
- 1. 下垂体のH-E染色標本は、腺性下垂体と神経性下垂体に分かれ、腺性下垂体は酸好性細胞、塩基好性細胞、嫌色素性細胞が混在する索状構造を示すが、濾胞構造は認められないため誤り。正しくは:下垂体は腺性下垂体と神経性下垂体に分かれ、それぞれ異なる細胞集団と組織構造を示す。選びやすい理由:内分泌臓器であるため、構造が類似していると誤解する可能性がある。混同注意:他の内分泌腺。
- 2. 唾液腺のH-E染色標本は、漿液性腺房、粘液性腺房、および導管系が主な構造であり、多数の濾胞構造とコロイド貯留を特徴とする本画像とは異なるため誤り。正しくは:唾液腺は腺房と導管系からなる外分泌腺である。選びやすい理由:腺構造を持つ点で類似しているため、混同する可能性がある。混同注意:外分泌腺。
- 3. 正解。H-E染色標本には多数の円形または楕円形の濾胞が観察され、これらの濾胞腔は均一な好酸性物質(コロイド)で満たされている。濾胞は単層の立方上皮細胞で裏打ちされており、これは甲状腺の典型的な組織像であるため正しい。選びやすい理由:特徴的な構造を正しく認識できたため。
- 4. 膵臓のH-E染色標本は、外分泌部である漿液性腺房と、内分泌部である膵島(ランゲルハンス島)から構成されるが、本画像のような濾胞構造とコロイド貯留は認められないため誤り。正しくは:膵臓は外分泌腺房と内分泌腺である膵島(ランゲルハンス島)からなる。選びやすい理由:内分泌機能も持つため、組織学的に誤解しやすい。混同注意:内分泌機能を持つ他の臓器。
- 5. 副腎のH-E染色標本は、皮質が球状帯、束状帯、網状帯の3層構造に分かれ、髄質がクロム親和性細胞からなるが、本画像のような濾胞構造やコロイド貯留は認められないため誤り。正しくは:副腎は皮質と髄質からなり、皮質はさらに3つの層に分かれる。選びやすい理由:内分泌臓器であり、腺細胞の集まりであるため、類似していると誤解する可能性がある。混同注意:他の内分泌腺。
国試ポイント
H-E染色標本から主要な臓器の組織構造を識別できること。
混同注意
腺構造を持つ他の臓器(唾液腺、膵臓、副腎など)と混同しやすいが、甲状腺の濾胞構造とコロイド貯留は特徴的。
次に同じ論点が出たら
同様の画像問題が出題された際は、まず濾胞構造の有無と、その濾胞腔内に均一な好酸性コロイドが存在するかを確認する。これにより甲状腺であると判断できる。
関連知識
甲状腺は甲状腺ホルモン(T3、T4)とカルシトニンを分泌する内分泌腺である。濾胞上皮細胞は甲状腺ホルモンを合成し、濾胞腔にコロイドとして貯蔵する。濾胞と濾胞の間に存在する傍濾胞細胞(C細胞)はカルシトニンを分泌する。