肝臓の特殊染色標本(別冊No. 6)を別に示す。染色はどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
アザン染色は、肝臓の結合組織、特に膠原線維を青色に染め出す特殊染色であり、肝線維化や肝硬変の病理診断に重要な役割を果たす。画像では肝小葉間の結合組織(線維化部分)が鮮やかな青色に染められており、これがアザン染色に典型的な所見である。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。アザン染色は結合組織、特に膠原線維を青色に染め出す。提示された肝臓の画像では、肝線維化が青色に染められており、肝硬変や肝線維症の診断に用いられるアザン染色の特徴と一致する。
- 2. Oil Red O染色は中性脂肪を赤色に染め出す染色法であり、肝臓であれば脂肪肝の診断に用いられる。提示された画像では脂肪滴の染色は見られないため、この染色法ではない。正しくは:Oil Red O染色は脂肪を赤く染める。肝臓の線維化の検出には適さない。選びやすい理由:肝臓の病理検査でよく用いられる染色法の一つであるため。混同注意:PAS染色(グリコーゲン)、ズダンIII染色(脂肪)など、肝臓で用いられる他の特殊染色と混同しやすい。
- 3. Victoria blue染色は主にHBs抗原陽性細胞や弾性線維を染め出す際に用いられる。提示された画像では、これらの所見を示す染色像ではない。正しくは:Victoria blue染色はHBs抗原や弾性線維を染める。膠原線維の同定には使用しない。選びやすい理由:肝臓の組織診断で特定の病態(B型肝炎など)の検出に使われることがあるため。混同注意:オルセイン染色(弾性線維)と混同しやすい。
- 4. トルイジンブルー染色は主に肥満細胞の顆粒(ヘパリンなど)や軟骨の異染性を検出する際に用いられる。肝臓の膠原線維を特異的に染め出す染色法ではない。正しくは:トルイジンブルー染色は肥満細胞の顆粒や軟骨を染める。線維化の検出には不適切である。選びやすい理由:細胞学的検査や他の組織検査でよく使われる染色法であるため。混同注意:Giemsa染色やROMANOVSKY染色(細胞の核や細胞質)と混同しやすい。
- 5. マッソントリクローム染色は、膠原線維を青色、筋線維を赤色に染め分ける。しかし、提示された画像は青色染色のコントラストがアザン染色に特徴的であり、より鮮明なトリクローム染色の青色とは異なる。また、アザン染色も膠原線維を青く染めるため、混同しやすいが、画像の特徴からはアザン染色がより適切である。正しくは:Masson trichrome染色は膠原線維を青く染めるが、画像に示された特徴はアザン染色により近い。アザン染色も膠原線維を青く染める。選びやすい理由:アザン染色と同様に肝臓の線維化を評価するためによく用いられる染色法であり、膠原線維が青色に染まる点が共通しているため。混同注意:アザン染色(膠原線維)と混同しやすい。両者は目的が似ているが、発色や染色機序に違いがある。
国試ポイント
肝臓の病理診断における特殊染色法について、その目的と染色像の特徴を正確に理解しているかが問われている。特に、線維化を検出するアザン染色やマッソントリクローム染色、脂肪を検出するOil Red O染色、グリコーゲンを検出するPAS染色など、主要な染色法の区別が重要となる。
混同注意
Masson trichrome染色(膠原線維が青く染まる点でアザン染色と類似するが、染色の機序や発色に微妙な違いがある)、PAS染色(グリコーゲン)、Oil Red O染色(脂肪)など、肝臓で用いられる他の特殊染色。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、まず画像中の何を染色しているか(例:線維、脂肪、細胞内封入体など)を特定し、その上で各選択肢の染色法が何を特異的に染め出すのかを照合する。特に、青色に染まる線維組織であれば、アザン染色とMasson trichrome染色の区別が重要になる。
関連知識
肝臓の主要な特殊染色とその目的:アザン染色(膠原線維を青染し線維化の検出)、Masson trichrome染色(膠原線維を青染し線維化と筋線維の検出)、PAS染色(グリコーゲンを赤染し肝細胞内グリコーゲンや真菌の検出)、PAS-ジアスターゼ染色(グリコーゲンを消化し、PAS陽性物質と区別)、Oil Red O染色(脂肪を赤染し脂肪肝の検出)、Perls染色(鉄を青染しヘモジデリンの検出)、Victoria blue染色(HBs抗原や弾性線維の検出)。