血中カルシウムで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
アルカローシスでは、血中の水素イオン濃度が低下しpHが上昇します。この状態では、アルブミンから水素イオンが乖離し、アルブミン上のカルシウム結合部位が増加します。結果として、アルブミンと結合するカルシウムが増え、生理活性のある遊離型(イオン型)カルシウムの濃度は低下します。
選択肢ごとの解説
- 1. 血液中のカルシウムのうち、生理活性を持つイオン型カルシウムは約50%を占めます。残りの約40%は主にアルブミンと結合したタンパク結合型、約10%は陰イオンと結合した複合体型として存在します。正しくは:血中カルシウムの約50%がイオン型として存在します。選びやすい理由:カルシウムが複数の形態で存在するという知識はあるものの、その具体的な割合を正確に覚えていない場合に、選択しやすいかもしれません。タンパク結合型や複合体型の割合と混同する可能性もあります。混同注意:タンパク結合型カルシウムや複合体型カルシウムの割合と混同している可能性があります。
- 2. 血中総カルシウムの一般的な基準範囲は8.5〜10.5 mg/dL程度であり、3.6〜4.4 mg/dLという値は明らかに低すぎます。この範囲は、無機リンの基準範囲に近い値です。正しくは:血中総カルシウムの基準範囲は8.5〜10.5 mg/dL程度です。選びやすい理由:臨床検査値の基準範囲に関する知識は必須であるため、何らかの基準範囲として記憶している数値と混同して選んでしまう可能性があります。混同注意:無機リンの基準範囲や、他の電解質(例: マグネシウムの一部)の基準範囲と混同している可能性があります。
- 3. 血中総カルシウムの約40%はアルブミンと結合しています。低アルブミン血症では、アルブミンと結合しているカルシウムの量が減少するため、測定される総カルシウム値は実際よりも低い値を示します(偽低カルシウム血症)。イオン型カルシウムの濃度自体は、大きく変動しないことが多いです。正しくは:低アルブミン血症の場合、測定される総カルシウム値は偽低値となります。選びやすい理由:血清タンパク質(特にアルブミン)とカルシウムの関係性については理解しているものの、その影響が「高値」方向か「低値」方向かを誤って認識している場合に選択しやすいです。混同注意:血清タンパク質の変動が、pHや他の電解質に与える影響と混同している可能性があります。
- 4. 正解。アルカローシス(血液のpHが上昇する状態)では、アルブミンの水素イオン(H+)との結合が減少します。これにより、アルブミンがカルシウムと結合する部位が増加し、より多くのカルシウムがアルブミンに結合します。その結果、生理活性を持つ遊離のイオン型カルシウム濃度が低下します。
- 5. 副甲状腺ホルモン(PTH)は、血中カルシウム濃度を上昇させる主要なホルモンです。腎臓でのカルシウム再吸収促進、骨からのカルシウム放出促進、およびビタミンD活性化を介した腸管からのカルシウム吸収促進によって、血中カルシウム値を増加させます。正しくは:副甲状腺ホルモン(PTH)の働きによって、血中カルシウム値は上昇します。選びやすい理由:ホルモンが血中の電解質濃度を調整するという一般的な知識はあるものの、PTHの具体的な作用(上昇させるのか低下させるのか)を混同している場合に選択しやすいです。特に、PTHがリンの排泄を促進することから、カルシウムにも逆の作用を連想する可能性があります。混同注意:血中カルシウムを低下させるホルモンであるカルシトニンの作用と混同している可能性があります。
国試ポイント
血中カルシウムの形態、基準範囲、関連する病態(低アルブミン血症)、および主要な調節ホルモン(PTH)の作用について、正確な知識が問われています。特に、pH変化とイオン型カルシウムの関連性は重要です。
混同注意
血中カルシウムの形態ごとの割合(イオン型、タンパク結合型、複合体型)、他の電解質の基準範囲、血中カルシウムを調節するホルモン(PTH、カルシトニン、活性型ビタミンD)の作用方向、および酸塩基平衡と電解質変動の関連性。
次に同じ論点が出たら
この論点が再度出題される場合、各形態のカルシウムの割合、イオン型カルシウムの重要性、低アルブミン血症における補正カルシウム値の計算方法、PTHやカルシトニンの詳細な作用機序、あるいは高カルシウム血症・低カルシウム血症の具体的な原因と症状について問われる可能性があります。
関連知識
カルシウムの生理機能(骨形成、神経伝達、筋収縮、血液凝固など)、カルシウム代謝に関わる臓器(骨、腎臓、消化管)、ビタミンDの代謝と作用、カルシトニンの作用。