レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ〈LCAT〉反応の生成物はどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・5番
解説
LCAT(レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ)は、レシチンから脂肪酸(通常は2位の脂肪酸)を切り離し、それを遊離コレステロールの3位の水酸基に転移させて、エステル型コレステロールを生成します。この反応の結果、レシチンは脂肪酸を失ってリゾレシチン(リゾホスファチジルコリン)になります。したがって、LCAT反応の主な生成物はリゾレシチンとエステル型コレステロールです。
選択肢ごとの解説
- 1. LCAT反応では、コレステロールのエステル化に脂肪酸が用いられますが、遊離脂肪酸自体が最終生成物となるわけではありません。正しくは:LCAT反応ではコレステロールに結合する脂肪酸が消費される。選びやすい理由:脂肪酸が反応に関与するため、生成物と誤解しやすい。混同注意:基質として使われる脂肪酸(レシチンに含まれる)と、生成物であるエステル型コレステロールの構成要素を混同する。
- 2. 正解。LCATはレシチンから脂肪酸を切り離し、コレステロールに転移させる酵素です。脂肪酸を失ったレシチンはリゾレシチン(リゾホスファチジルコリン)として生成されます。
- 3. トリグリセライド(中性脂肪)はLCAT反応の生成物ではありません。LCATはコレステロールのエステル化に関わる酵素です。正しくは:トリグリセライドはグリセロールに3つの脂肪酸が結合したもので、LCAT反応とは直接関係がない。選びやすい理由:脂質代謝に関連する物質であるため、関連があるように思える。混同注意:コレステロールやリン脂質とは異なる脂質であるため、脂質代謝全般と混同しやすい。
- 4. スフィンゴミエリンはスフィンゴ脂質の一種であり、LCAT反応の生成物ではありません。LCATはグリセロリン脂質であるレシチンを基質とします。正しくは:スフィンゴミエリンはスフィンゴシン骨格を持つリン脂質で、LCATの基質でも生成物でもない。選びやすい理由:リン脂質の一種であるため、LCATの基質であるレシチンと関連があるように錯覚する。混同注意:レシチンと同じリン脂質である点で混同しやすいが、LCATはレシチン(グリセロリン脂質)に特異的。
- 5. 正解。LCATは遊離コレステロールとレシチンから得た脂肪酸を結合させ、エステル型コレステロールを生成する酵素です。これはHDLによる末梢組織からのコレステロール逆転送において重要な役割を果たします。
国試ポイント
LCATの生化学的機能、特にその基質(レシチン、遊離コレステロール)と生成物(リゾレシチン、エステル型コレステロール)を正確に理解しているかを問う問題です。脂質代謝、特にHDLによるコレステロール逆転送におけるLCATの役割は頻出テーマです。
混同注意
LCATの基質であるレシチンや遊離コレステロール、あるいは反応に関与する脂肪酸と、最終生成物を混同しやすい。また、類似の酵素(例:ACAT)や他の脂質関連物質との区別も重要。
次に同じ論点が出たら
次にLCATの論点が出た場合は、その欠損症の症状や、他のリポタンパク質代謝酵素(例:CETP, HL, LPL)との関連性を確認すること。
関連知識
LCATは血漿中に存在し、HDLの成熟に不可欠な酵素です。コレステロール逆転送系において、末梢組織から回収されたコレステロールをエステル化することで、HDL内部にコレステロールを蓄積し、濃度勾配を維持する役割があります。LCAT欠損症では、遊離コレステロールが蓄積し、異常なリポタンパク質が形成されます。