ノーズクリップが必要な検査はどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・5番
解説
肺拡散能(DLco)測定(選択肢3)は、特定のガス混合気を吸入し、そのガスが肺胞から血液へどれだけ取り込まれたかを測定するため、鼻からの空気の出入りを完全に遮断し、口だけで呼吸を行う必要があります。同様に、オシロメトリー(強制オシレーション法)による呼吸抵抗測定(選択肢5)も、微細な圧変動を呼吸器系に与え、その伝達から抵抗を評価するため、測定中に鼻からの空気の漏れが生じないよう、鼻クリップの使用が不可欠です。
選択肢ごとの解説
- 1. パルスオキシメトリーは指先などに装着するプローブで酸素飽和度を測定する検査であり、鼻クリップは使用しません。正しくは:パルスオキシメトリーは、指などの末梢部位にセンサーを装着し、血液の酸素飽和度を非侵襲的に測定する検査です。鼻クリップは不要です。選びやすい理由:呼吸機能に関連する検査であるため、選びたくなるかもしれません。混同注意:呼吸機能検査全般と混同しやすいですが、検査方法が異なります。
- 2. ピークフロー測定は、患者が最大努力で息を吐き出す際の最大呼気流量を測定する検査ですが、通常、鼻クリップは必要ありません。口から強く息を吹き込むことが重要です。正しくは:ピークフロー測定では、患者は専用の器具に口から息を吹き込みます。鼻からの空気漏れを防ぐために鼻クリップを使用するケースもありますが、必須ではありません。むしろ口からの呼気に集中することが重要です。選びやすい理由:簡易的な呼吸機能検査であるため、ノーズクリップが必要な本格的な検査と誤解する可能性があります。混同注意:より高度な肺機能検査(スパイロメトリーなど)と混同しやすいですが、ピークフロー測定はより簡便です。
- 3. 正解。肺拡散能測定では、吸入したガスの肺胞から血液への移動量を正確に評価するため、被験者が鼻から空気を吸ったり吐いたりするのを防ぎ、全ての呼吸が口を通じて行われるように鼻クリップが必須となります。
- 4. FeNO測定は、一定の呼気流量を保ちながら息を吐き出すことで、気道炎症の指標となる一酸化窒素濃度を測定します。この検査では、鼻クリップは通常使用されません。正しくは:FeNO測定は、一定の呼気流速で息を吐き出すことが重要ですが、鼻クリップの使用は一般的ではありません。口からの呼気に集中することで測定します。選びやすい理由:呼気を測定する検査であり、口呼吸が中心となるため、鼻クリップが必要だと誤解する可能性があります。混同注意:気道抵抗測定や肺拡散能測定など、他の厳密な肺機能検査と混同しやすいです。
- 5. 正解。オシロメトリーでは、高周波の振動を呼吸器系に与え、その応答から呼吸抵抗を測定します。鼻からの空気の漏れは測定精度に大きく影響するため、鼻クリップを使用して鼻呼吸を完全に遮断することが必須です。
国試ポイント
この問題は、主要な呼吸機能検査の実施方法に関する基本的な知識、特に検査精度を確保するために必要な器具(鼻クリップ)の役割について問われています。各検査の原理と、それに伴う注意点を理解しているかどうかがポイントです。
混同注意
多くの呼吸機能検査では口から呼吸を行うため、どの検査で鼻クリップが必須であるかを正確に把握していないと混乱しやすいです。特に、口呼吸が主体となる検査でも、鼻からの空気漏れが結果に影響するかどうかで鼻クリップの必要性が変わる点に注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、各呼吸機能検査の測定原理を再確認し、その原理を正確に測定するためにどのような前処置や器具(鼻クリップ、マウスピース、フィルターなど)が必要かを考える。特に、空気の漏れが測定に決定的な影響を与える検査に注目する。
関連知識
スパイロメトリーも鼻クリップを使用することが多いですが、問題文の選択肢にはありません。気道過敏性検査(メサコリン吸入試験など)や運動負荷試験では、状況に応じて鼻クリップを使用する場合があります。しかし、DLco測定やオシロメトリーほど絶対的な必須ではありません。