換気で正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・4番
解説
換気生理に関する基礎知識を問う問題です。選択肢2は、肺胞換気量が増加すればPaCO2が効率よく排出され低下するという、換気効率と血中ガス分圧の関係を示しており正しいです。選択肢4は、末梢化学受容器の主要な役割の一つが、低酸素血症(動脈血酸素濃度低下)を感知することであることを述べており正しいです。他の選択肢は、呼吸の定義、呼吸調節中枢の場所、肺胞換気量の計算式などにおいて誤った記述が含まれています。
選択肢ごとの解説
- 1. 換気は肺で行われる外呼吸(肺呼吸)の一部であり、空気を肺に出し入れしてガス交換を促進する過程を指します。内呼吸は、細胞レベルでの代謝過程におけるガス交換(組織呼吸)のことです。正しくは:換気作用は、肺で行われる外呼吸を指す。選びやすい理由:「呼吸」という広い概念の中で、「内呼吸」と「外呼吸」の区別が曖昧な場合に、換気も細胞レベルの呼吸だと誤解しやすいため。混同注意:「外呼吸(肺呼吸)」と「内呼吸(組織呼吸)」の明確な定義と、それぞれの役割。
- 2. 正解。肺胞換気量が増加すると、肺胞での二酸化炭素の排出が効率的に行われるため、動脈血中の二酸化炭素分圧は低下します。逆に肺胞換気量が減少するとPaCO2は上昇し、これは反比例の関係にあります。
- 3. 無意識下の呼吸運動は、主に脳幹に位置する呼吸中枢(特に延髄の呼吸中枢)によって自律的に調節されています。小脳は、姿勢の維持や運動の協調性、バランスなどの調整に関与する部位です。正しくは:意識することなく行われる呼吸運動は、延髄の呼吸中枢によって主に調節されている。選びやすい理由:小脳も脳の一部であり、身体の運動調節に関わるため、呼吸運動も含むと誤解しやすいです。混同注意:呼吸中枢の主要な場所(延髄)と、小脳の運動調節機能。
- 4. 正解。末梢化学受容器(頸動脈小体や大動脈小体など)は、主に動脈血酸素分圧(PaO2)の低下、pHの低下、および動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)の上昇を感知し、特にPaO2の低下に対して強い感受性を示して呼吸を促進します。
- 5. 一回換気量と呼吸数の積は「分時換気量(全換気量)」であり、気道内の死腔部分で交換されずに残る空気(死腔量)も含まれます。肺胞換気量は、「(一回換気量 - 死腔量)× 呼吸数」で算出されます。正しくは:(一回換気量から死腔量を引いた値)と呼吸数を掛け合わせると、肺胞換気量が得られる。選びやすい理由:「一回換気量」と「呼吸数」が換気量計算の重要な要素であるため、そのまま積が肺胞換気量になると誤解しやすいです。また、「分時換気量」と「肺胞換気量」の用語が似ているため混同しやすいです。混同注意:「分時換気量(全換気量)」と「肺胞換気量」の定義と計算式。
国試ポイント
呼吸生理学の基本概念が正確に理解できているかを問う問題です。特に、各用語(内呼吸と外呼吸、分時換気量と肺胞換気量、中枢化学受容器と末梢化学受容器など)の明確な区別と、それぞれの生理学的意義が重要となります。呼吸調節機構における各要素の役割についても確認が必要です。
混同注意
内呼吸と外呼吸の区別、分時換気量と肺胞換気量の計算式、中枢化学受容器と末梢化学受容器の主要な感知刺激、呼吸中枢の位置。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、中枢化学受容器が主にPaCO2やpHの変化に感受性が高い点、あるいは酸素ヘモグロビン解離曲線と低酸素応答の関係など、より詳細な呼吸調節機構やガス交換のメカニズムについても問われる可能性があります。
関連知識
呼吸器系の解剖と生理学全般。具体的には、呼吸の種類(外呼吸・内呼吸)、肺換気量の計算式(一回換気量、呼吸数、死腔量)、呼吸調節機構(呼吸中枢、化学受容器)、動脈血ガス分析の基礎知識などが挙げられます。