睡眠時無呼吸症候群で誤っているのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4・5番(いずれも正解)
解説
【公式の取扱い】この問題は1つを選ぶ形式ですが、公式の正答表では4・5のいずれも正解とされています。 選択肢4について、終夜睡眠ポリグラフィ(PSG)は睡眠時無呼吸症候群(SAS)の確定診断に用いられる検査であり、スクリーニング検査としては簡便な簡易睡眠検査(アプノモニターなど)が用いられます。したがって、PSGがスクリーニングに有用であるという記述は誤りです。選択肢5について、睡眠1時間あたりの無呼吸・低呼吸指数(AHI)が5未満は正常範囲であり、SASの診断基準を満たしません。SASはAHIが5以上の場合に診断されます。したがって、AHIが5未満を示すという記述は誤りです。
選択肢ごとの解説
- 1. 睡眠時無呼吸症候群(特に閉塞型)は、肥満による上気道の狭窄が原因となることが多く、肥満と強い関連があります。したがって、この記述は正しいです。
- 2. 睡眠時無呼吸症候群では、夜間の低酸素血症や交感神経の活性化により、高血圧を合併する頻度が高いことが知られています。したがって、この記述は正しいです。
- 3. 仰臥位(あおむけ)では、舌根が重力で沈下しやすく、上気道の閉塞が起こりやすいため、無呼吸や低呼吸が発生しやすくなります。したがって、この記述は正しいです。
- 4. 正解。終夜睡眠ポリグラフィ(PSG)は睡眠時無呼吸症候群の確定診断に不可欠な精密検査であり、スクリーニング検査としては簡便性やコストの観点から適していません。スクリーニングには簡易睡眠検査(アプノモニターなど)が用いられます。したがって、この記述は誤りです。正しくは:終夜睡眠ポリグラフィは確定診断に有用である。または、簡易睡眠検査はスクリーニングに有用である。選びやすい理由:終夜睡眠ポリグラフィが睡眠時無呼吸症候群の診断に重要な検査であることは事実なため、その「有用性」という言葉に引かれて正しいと判断してしまう可能性があります。混同注意:スクリーニング検査と確定診断検査の区別。
- 5. 正解。睡眠時無呼吸症候群の診断基準は、睡眠1時間あたりの無呼吸・低呼吸指数(AHI)が5以上であり、かつ症状(日中の眠気など)がある場合、またはAHIが15以上の場合です。AHIが5未満は正常範囲とされます。したがって、この記述は誤りです。正しくは:睡眠1時間あたりの無呼吸・低呼吸指数〈AHI〉が5以上を示す。選びやすい理由:AHIという指標自体がSASの診断に用いられるため、その数値の妥当性を深く考えずに選んでしまう可能性があります。混同注意:AHIの正常値と診断基準値の混同。
国試ポイント
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の病態、合併症、診断、治療に関する基本的な知識が問われています。特に、診断基準となるAHIの数値や、各種検査の位置づけ(スクリーニングか確定診断か)を正確に理解しているかが重要です。
混同注意
睡眠時無呼吸症候群の簡易検査と確定診断検査の区別、およびAHIの正常値と異常値の区別。
次に同じ論点が出たら
次回同様の論点が出題された場合、SASの診断基準(AHIの数値)、各種診断検査の使い分け(スクリーニング、確定診断)、主な合併症、治療法の詳細(CPAP療法の適応や効果)に注目して判断します。
関連知識
睡眠時無呼吸症候群は、閉塞型(OSA)と中枢型(CSA)に大別されます。成人では閉塞型がほとんどで、肥満が最大の危険因子です。日中の強い眠気、いびき、高血圧、心血管疾患リスクの上昇などが特徴です。治療にはCPAP療法が一般的です。