トキソプラズマについて誤っているのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
トキソプラズマは、細胞内で増殖する偏性細胞内寄生原虫です。選択肢2の「細胞外で増殖する原虫である」という記述は誤りです。
選択肢ごとの解説
- 1. この記述は正しいです。ネコはトキソプラズマの生活環において、有性生殖が行われオーシストを排泄する最終宿主となります。
- 2. 正解。トキソプラズマ(Toxoplasma gondii)は、宿主細胞内でのみ増殖する偏性細胞内寄生原虫です。細胞外では増殖できません。正しくは:トキソプラズマは細胞内で増殖する偏性細胞内寄生原虫です。選びやすい理由:原虫全般に関する知識が曖昧な場合、寄生形式を混同しやすいです。混同注意:赤痢アメーバなど、細胞外でも生存・増殖が可能な原虫と混同しやすいかもしれません。
- 3. この記述は正しいです。健常者においては、トキソプラズマ感染の大部分は無症状の不顕性感染で経過します。
- 4. この記述は正しいです。妊娠中にトキソプラズマに初めて感染すると、原虫が胎盤を通過し、胎児に感染(先天性トキソプラズマ症)を引き起こすリスクがあります。
- 5. この記述は正しいです。IgM抗体は感染初期に産生され、急性感染や最近の初感染の指標となります。
国試ポイント
トキソプラズマの基本的な生物学的特性(特に寄生様式)、生活環、および感染症としての特徴(不顕性感染の多さ、先天性感染のリスク、診断のための抗体検査の解釈)を問う問題です。病原体の『偏性細胞内寄生』という特性が、他の細胞外寄生性の病原体との区別として重要です。
混同注意
細胞外寄生性原虫(例:赤痢アメーバ、ランブル鞭毛虫)や、その他の細胞内寄生性病原体(例:クラミジア、リケッチア、ウイルス)との混同。また、IgG抗体とIgM抗体の意味合いの違い。
次に同じ論点が出たら
トキソプラズマの分類(原虫)、寄生様式(細胞内寄生)、終宿主(ネコ)、主要な感染経路、妊娠中の感染におけるリスクと胎児への影響、および抗体検査の解釈(IgM/IgG抗体の推移)を重点的に確認する。
関連知識
トキソプラズマの生活環、感染経路(生肉摂取、猫の糞便)、先天性トキソプラズマ症の症状(水頭症、脈絡網膜炎、脳内石灰化など)、診断方法(抗体価測定、PCR)、治療薬(ピリメタミン、スルファジアジン)。