幼稚園で肛囲検査法(セロファンテープ法)による虫卵検査を行い、1人の園児から虫卵が検出された。虫卵の写真(別冊No. 1)を別に示す。とるべき対応はどれか。2つ選べ。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・5番
解説
本事例はセロファンテープ法で検出された虫卵の画像(別冊No. 1)から、蟯虫感染であることがわかります。蟯虫感染に対する対応として、まず陽性者への駆虫薬投与(治療)が必須です。また、蟯虫卵は寝具や衣類に付着しやすく、そこからの再感染や家族内感染が問題となるため、環境からの感染源除去として寝具の日光消毒やこまめな洗濯・清掃が重要となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 本症例は蟯虫感染であり、抗体検査は診断や集団感染対策には一般的ではありません。蟯虫の診断は虫卵の直接検出(セロファンテープ法)が基本です。正しくは:蟯虫の診断はセロファンテープ法による虫卵検出が基本であり、抗体検査は実施しない。選びやすい理由:集団感染が疑われる場合、何らかの検査が必要と思われがちですが、蟯虫感染においては抗体検査は適切ではありません。混同注意:他の感染症における抗体検査と混同し、蟯虫にも適用されると誤解する可能性があります。
- 2. 正解。蟯虫感染が確認された場合、感染源を取り除くために駆虫薬(抗蠕虫薬)の投与が必須です。これは治療の根幹となります。正しくは:駆虫薬の投与は蟯虫感染の直接的な治療法であるため、陽性者には投与が必要である。選びやすい理由:個別治療の重要性は理解しやすい選択肢です。
- 3. 蟯虫感染に対するワクチンは存在しません。感染予防は衛生管理が中心となります。正しくは:蟯虫感染症に対するワクチンは存在しない。選びやすい理由:感染症対策としてワクチンが連想されやすいですが、寄生虫感染症には適用されません。混同注意:細菌やウイルスによる感染症と寄生虫感染症の予防策を混同する可能性があります。
- 4. 蟯虫は蚊を介して感染することはありません。蚊の駆除はマラリアやデング熱などの蚊が媒介する感染症に対する対策です。正しくは:蟯虫は蚊を介して感染しないため、蚊の駆除は適切ではない。選びやすい理由:衛生管理全般の一環として、害虫駆除が連想されるかもしれませんが、病原体と媒介昆虫の関連を正しく理解する必要があります。混同注意:寄生虫の種類と感染経路に関する知識が不確かな場合、不適切な対策を選択する可能性があります。
- 5. 正解。蟯虫卵は衣類や寝具に付着しやすく、そこから再感染や他者への感染が起こりえます。日光消毒は蟯虫卵を死滅させるのに有効な手段であり、環境からの感染源除去に役立ちます。正しくは:蟯虫卵は寝具などに付着しやすいため、家族内感染や再感染防止のために寝具の日光消毒は非常に重要である。選びやすい理由:環境衛生の重要性は理解しやすいです。
国試ポイント
蟯虫感染症の診断(セロファンテープ法)と、その後の適切な治療・感染拡大防止策を理解しているか問う問題です。寄生虫の種類と、それぞれの感染経路や対策を正確に結びつける知識が求められます。
混同注意
寄生虫感染症対策と細菌・ウイルス感染症対策、または他の媒介動物による感染症対策が混同しやすいです。特に、感染源除去、治療、予防といった対策の具体的な内容と適用範囲を区別することが重要です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の症例が確認された場合、家庭内での衛生指導や園全体の衛生環境の見直しなど、さらなる感染拡大防止策を検討する必要があるか。
関連知識
蟯虫の生活環、他の代表的な寄生虫(回虫、鉤虫、東洋眼虫など)の感染経路と対策、集団検診における寄生虫検査の意義。