Basedow病について正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・4番
解説
バセドウ病は、甲状腺機能亢進症の一種であり、甲状腺刺激抗体(TSAb)によって甲状腺が過剰に刺激されることで発症します。このため、甲状腺ホルモン(T3, T4)の分泌が亢進し、負のフィードバック機構により下垂体からのTSH分泌が抑制され、TSHは低値を示します。また、甲状腺全体が均一に腫大するびまん性甲状腺腫も特徴的な所見です。女性に多く、頻脈、体重減少、発汗亢進、易疲労感などが主な症状として挙げられます。血中総コレステロールは代謝亢進により低値となる傾向があります。
選択肢ごとの解説
- 1. バセドウ病は自己免疫疾患であり、女性に圧倒的に多く見られます。男女比は一般的に1:5〜1:10程度とされています。正しくは:女性患者の割合が多い。選びやすい理由:特定の病気と性別の関連性を混同しやすい。混同注意:甲状腺疾患の中でも、特定のタイプ(例えば一部の甲状腺癌)で男性の割合が高いものと混同する可能性がある。
- 2. バセドウ病は甲状腺機能亢進症であり、心臓への刺激が増大するため、頻脈(脈拍数の増加)を認めるのが特徴的です。徐脈は甲状腺機能低下症で見られます。正しくは:頻脈を認める。選びやすい理由:甲状腺機能亢進症と低下症の症状が混同しやすい。混同注意:甲状腺機能低下症の症状である徐脈と誤認する可能性がある。
- 3. 正解。バセドウ病では、甲状腺ホルモン(FT3, FT4)が過剰に分泌されるため、ネガティブフィードバック機構により下垂体からのTSH分泌が抑制され、血中TSH値は低値または測定感度以下となります。正しくは:正しい記述です。選びやすい理由:甲状腺ホルモン値とTSH値の関係性を正しく理解しているか問われる。混同注意:TSHが低いことが病気を示しているという認識が、他の疾患や正常な状態と混同されることは少ない。
- 4. 正解。バセドウ病は甲状腺全体が瀰漫性(びまん性)に腫大するのが特徴的です。これは甲状腺刺激抗体(TSAb)によって甲状腺細胞が過剰に刺激され、増殖するためです。正しくは:正しい記述です。選びやすい理由:甲状腺腫大の種類(結節性かびまん性か)を問われる。混同注意:甲状腺の腫れ方には、びまん性腫大の他に、結節性腫大などがあるため、これらを混同する可能性がある。
- 5. 甲状腺機能亢進症であるバセドウ病では、コレステロールの代謝が促進されるため、血中総コレステロール値は低値となる傾向があります。高値は甲状腺機能低下症で見られます。正しくは:総コレステロール値が減少する。選びやすい理由:コレステロール値と甲状腺機能の関連性を甲状腺機能低下症の場合と混同しやすい。混同注意:甲状腺機能低下症の場合にコレステロールが高値になることと混同する可能性がある。
国試ポイント
バセドウ病の病態生理と臨床検査所見に関する基本的な知識が問われています。特に、甲状腺ホルモンとTSHのフィードバック機構、および甲状腺機能亢進症特有の症状や検査値の変化を正確に理解していることが重要です。
混同注意
甲状腺機能亢進症と甲状腺機能低下症の症状や検査所見は対照的であるため、これらを混同しないように注意が必要です。特に、脈拍数、コレステロール値、TSH値の変化は逆転するため、誤答を誘発しやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
提示された選択肢が、バセドウ病の病態生理に基づいているか、他の甲状腺疾患(特に橋本病などの機能低下症)の所見と混同されていないかを確認することが重要です。
関連知識
バセドウ病の診断には、血中TSH、FT3、FT4の測定に加え、抗TSH受容体抗体(TRAb/TSAb)の測定が必須です。また、超音波検査による甲状腺の大きさや血流評価も重要となります。治療法には抗甲状腺薬、放射性ヨウ素治療、手術があります。