IgA腎症について正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・3番
解説
IgA腎症は、男性に多い傾向があり(選択肢1)、血尿(顕微鏡的または肉眼的)が主要な臨床症状です(選択肢3)。他の選択肢は、高血圧を呈することが多く血圧は低下しないこと(選択肢2)、補体C3の沈着部位が糸球体メサンギウム領域であること(選択肢4)、そして経過は通常緩徐であること(選択肢5)から誤りです。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。IgA腎症は一般的に男性に多い傾向があります。
- 2. IgA腎症では、腎機能障害が進行すると、レニン-アンジオテンシン系の活性化などにより血圧が上昇する(高血圧となる)ことが多いです。正しくは:血圧は通常、上昇します(高血圧を呈することが多い)。選びやすい理由:腎疾患によっては血圧変動があるため、深く考えずに選んでしまう可能性。混同注意:他の疾患による血圧低下と混同する可能性。
- 3. 正解。IgA腎症の主要な臨床症状の一つは血尿(顕微鏡的血尿または肉眼的血尿)であり、特に上気道感染後に肉眼的血尿が出現することが特徴的です。
- 4. IgA腎症では、補体C3の沈着は糸球体メサンギウム領域に見られます。遠位尿細管への沈着ではありません。正しくは:補体C3は糸球体メサンギウム領域に沈着します。選びやすい理由:免疫複合体の沈着があるという点は正しいが、部位が不正確であるため、部分的な知識で選んでしまう可能性。混同注意:他の腎疾患における補体の沈着部位や、腎臓の解剖学的部位(糸球体、尿細管)と混同する可能性。
- 5. IgA腎症の経過は様々ですが、多くの場合は緩徐に進行します。急速進行性を示すのは一部の症例(急速進行性糸球体腎炎を合併した場合など)であり、一般的ではありません。正しくは:多くの場合、緩徐に進行します。選びやすい理由:腎疾患の中には急速に進行するものもあるため、その印象で選んでしまう可能性。混同注意:急速進行性糸球体腎炎(RPGN)との混同。IgA腎症がRPGNを合併する場合もあるが、それは必ずしも一般的ではない。
国試ポイント
IgA腎症の疫学、主要症状、病理組織学的特徴、および一般的な臨床経過について正確な知識が問われています。特に、症状と沈着部位、進行速度に関する誤情報を見抜く能力が必要です。
混同注意
他の糸球体腎炎との症状や病理所見の混同(例:RPGNとの進行速度の混同、SLE腎炎での補体低下など)。腎臓の解剖学的部位(糸球体、尿細管)の理解不足。
次に同じ論点が出たら
次にIgA腎症の問題が出た場合、血尿と蛋白尿の有無、IgA以外の免疫グロブリンや補体の沈着部位、メサンギウム細胞の増殖の有無、腎機能の進行度合い(GFRや血清クレアチニン値)に注目して判断する。
関連知識
IgA腎症の診断基準、治療法(ステロイド、RAS阻害薬など)、予後因子。免疫蛍光抗体法におけるIgA沈着。腎生検による病理組織学的診断。