染色体検査の結果で診断が可能なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
クラインフェルター症候群は、性染色体の数的異常(通常は47, XXY)を特徴とする疾患であり、核型分析などの染色体検査によって、その異常を直接検出することで診断が確定されます。他の選択肢の疾患は、単一遺伝子疾患や多因子遺伝疾患であり、遺伝子変異の解析や酵素活性測定、臨床症状などに基づいて診断されるもので、染色体検査が直接の診断方法ではありません。
選択肢ごとの解説
- 1. アルツハイマー型認知症は、脳の病理学的変化(アミロイド斑、神経原線維変化)や臨床症状によって診断されます。遺伝的要因(APOE遺伝子多型など)も関与しますが、染色体異常そのもので診断する疾患ではありません。正しくは:アルツハイマー型認知症は、脳の画像検査(MRI、PETなど)、神経心理検査、髄液検査などにより診断が検討されます。選びやすい理由:遺伝的要因が知られているため、染色体検査との関連を誤解する可能性があります。混同注意:遺伝子検査と染色体検査を混同するかもしれません。
- 2. ゴーシェ病は、グルコセレブロシダーゼという酵素の欠損によって引き起こされるライソゾーム病の一種です。診断は、主に酵素活性の測定やGBA遺伝子の変異解析によって行われ、染色体異常を直接検出する検査ではありません。正しくは:ゴーシェ病の診断は、酵素活性測定や遺伝子解析(GBA遺伝子)によって確定されます。選びやすい理由:遺伝性疾患であるため、染色体検査が関連すると考えるかもしれません。混同注意:単一遺伝子疾患と染色体異常を混同しやすいです。
- 3. ハンチントン病は、HD遺伝子内のCAGリピート配列の異常な伸長によって発症する常染色体優性遺伝疾患です。診断は、この特定の遺伝子変異を検出するDNA解析によって行われ、染色体全体の異常を調べる染色体検査では診断できません。正しくは:ハンチントン病の診断は、HD遺伝子のCAGリピート数を確認する遺伝子解析によって確定されます。選びやすい理由:遺伝性疾患であり、重篤な神経疾患であるため、染色体異常と関連づけやすいです。混同注意:トリヌクレオチドリピート病のような単一遺伝子疾患と染色体異常疾患を混同しやすいです。
- 4. 正解。クラインフェルター症候群は、性染色体の数の異常(通常は47, XXY)によって引き起こされる疾患です。この染色体の異数性は、核型分析などの染色体検査によって直接確認され、診断が確定されます。
- 5. レッシュ・ナイハン症候群は、X染色体上にあるHPRT1遺伝子の変異によって、ヒポキサンチン-グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT)酵素が欠損することで発症するX連鎖劣性遺伝疾患です。診断は、HPRT酵素活性の測定やHPRT1遺伝子の変異解析によって行われます。正しくは:レッシュ・ナイハン症候群の診断は、酵素活性測定や遺伝子解析(HPRT1遺伝子)によって確定されます。選びやすい理由:X染色体に関連する疾患であるため、染色体検査が有効だと誤解する可能性があります。混同注意:X連鎖遺伝疾患と性染色体異数性疾患を混同しやすいです。
国試ポイント
染色体検査で診断が可能な遺伝性疾患、特に染色体異数性症候群と、単一遺伝子疾患や多因子疾患との区別が問われています。各疾患の診断方法の基礎知識が重要です。
混同注意
単一遺伝子疾患(遺伝子変異によるもの)と染色体異常症(染色体全体の数や構造の異常によるもの)を混同しやすいです。特に、X連鎖遺伝疾患と性染色体異数性疾患は区別が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の問題が出た場合、与えられた疾患が「染色体全体の数や構造の異常」によるものか、「特定の遺伝子の変異」によるものか、あるいは「多因子」によるものかを識別することが診断方法を判断する鍵となります。
関連知識
ダウン症候群(21トリソミー)、ターナー症候群(45, X)、エドワーズ症候群(18トリソミー)、パタウ症候群(13トリソミー)なども染色体検査で診断される代表的な疾患です。これらの疾患の核型と臨床的特徴を理解しておくことが重要です。