心周期における左室圧-容積曲線の模式図(別冊No. 2)を別に示す。Aが示す時相はどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
心周期における左室圧-容積曲線において、Aで示されるのは左室圧が上昇しつつ容積が減少する時相であり、これは血液が左室から大動脈へ送り出される「駆出期」に該当する。この期間は大動脈弁が開いており、僧帽弁は閉鎖している。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。左室圧-容積曲線の駆出期は、僧帽弁閉鎖後、大動脈弁が開いて血液が左室から大動脈へ送り出される期間であり、圧力は上昇し容積は減少する。Aで示されるのはこの期間である。正しくは:駆出期は、左室圧が上昇しつつ左室容積が減少する時相を指す。選びやすい理由:他の期も心周期の重要な局面であり、曲線上の位置を誤解すると選択肢が魅力的に見える。混同注意:等容性収縮期と駆出期の区別、および曲線上のどの部分が駆出期に相当するかを混同しやすい。
- 2. 急速充満期は、左室圧が下降し、僧帽弁が開いて血液が左房から左室へ急速に流れ込む期間であり、容積が急増する。Aの曲線とは一致しない。正しくは:急速充満期は、左室圧が下降し容積が急増する時相である。選びやすい理由:充満期も曲線上で容積変化を伴うため、勘違いしやすい。混同注意:充満期の各段階(急速、緩速、心房収縮)と駆出期を混同する可能性がある。
- 3. 緩速充満期は、急速充満期に続き、左房から左室への血液流入が緩やかになる期間で、容積増加の傾きが緩やかになる。Aの曲線とは一致しない。正しくは:緩速充満期は、左室圧が低く容積が緩やかに増加する時相である。選びやすい理由:心周期全体を理解しているつもりでも、曲線上の特定のポイントと時相の正確な対応を見誤ることがある。混同注意:充満期の異なる段階(急速、緩速)を混同し、Aが充満期の一部であると誤認する可能性。
- 4. 心房収縮期は、心房が収縮して左室へ血液を送り込む最後の充満段階であり、左室圧がわずかに上昇し、容積もわずかに増加する。Aの曲線とは一致しない。正しくは:心房収縮期は、左室圧がわずかに上昇し、容積もわずかに増加する時相である。選びやすい理由:充満期の一環として、容積増加があるため、部分的な情報で選択肢を選んでしまう可能性がある。混同注意:心房収縮による最後の充満段階を駆出期と誤認することはないが、心周期の順序と曲線の対応を間違える可能性はある。
- 5. 心周期において「変容期」という名称の主要な時相は一般的ではない。恐らく、等容性収縮期や等容性弛緩期といった等容性変化の期間を指す造語か、誤解を招く表現である。正しくは:心周期の主要な時相としては等容性収縮期や等容性弛緩期があるが、「変容期」という名称は一般的ではない。選びやすい理由:未知の用語であるため、他の選択肢に自信がない場合に選んでしまう可能性がある。混同注意:等容性収縮期や等容性弛緩期など、圧は変化するが容積は変化しない期間を指す言葉と混同する可能性。この選択肢は、正確な知識を問うと同時に、誤った用語で混乱を誘う意図がある。
国試ポイント
この問題は、心周期における左室圧-容積曲線を正確に理解し、各時相(等容性収縮期、駆出期、等容性弛緩期、急速充満期、緩速充満期、心房収縮期)が曲線上のどの部分に相当するかを識別する能力を問うものである。特に、駆出期は左室圧の上昇と容積の減少が同時に起こる特徴的な部分である。
混同注意
等容性収縮期と駆出期は連続するが、等容性収縮期では容積が一定であるのに対し、駆出期では容積が減少する点で異なる。また、各充満期の曲線上の特徴も混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
もしAが等容性収縮期であった場合、左室容積は一定のまま圧が上昇する垂直な線で示されるはずである。同様に、他の各時相が曲線上のどの部分に相当するかを正確に判断する必要がある。
関連知識
心音、心電図、頸動脈脈波、心尖拍動との関連、弁の開閉時期。これらの生理学的現象と心周期の各時相との対応を総合的に理解していることが重要である。