培地の滅菌に用いられる方法はどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・5番
解説
培地の滅菌には、熱に安定な成分で構成された培地や一般的な液体培地に対しては高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)が最も広く用いられます。一方、熱に弱い成分(ビタミン、血清、特定の薬剤など)を含む培地や、溶液の物理的性状を保ちたい場合には、微生物をフィルターで物理的に除去する濾過滅菌が選択されます。ガス滅菌、乾熱滅菌、放射線滅菌は、培地の性質や目的を考慮すると、一般的または適切な培地の滅菌方法とは言えません。
選択肢ごとの解説
- 1. ガス滅菌は、エチレンオキシドガスなどを用いて滅菌する方法です。精密機器や熱に弱い医療器具の滅菌には適していますが、培地の滅菌には通常用いられません。特に液状培地には適用が困難です。正しくは:培地の滅菌には、ガス滅菌は一般的ではありません。培地は、熱安定性やろ過の可否によって方法を選択します。選びやすい理由:滅菌方法の一つであるため、知識が曖昧だと正しい選択肢として誤って選んでしまう可能性があります。混同注意:高圧蒸気滅菌や濾過滅菌など、培地滅菌に直接関連する他の方法と混同する可能性があります。
- 2. 乾熱滅菌は、乾燥した高温の空気(160~180℃)を用いて滅菌する方法です。ガラス器具や金属器具の滅菌に適していますが、培地の成分、特に水分を含む培地や熱に弱い成分を含む培地には不向きです。培地が焦げ付いたり、成分が分解されたりする可能性があります。正しくは:乾熱滅菌は、ガラス器具や粉末培地など、水分を含まない熱に安定な物の滅菌に用いられることがあります。液体培地には適しません。選びやすい理由:滅菌方法として広く知られているため、深く考えずに選択してしまう可能性があります。混同注意:高圧蒸気滅菌と混同し、培地も熱で滅菌できるという共通点から誤って選ぶ可能性があります。
- 3. 正解。濾過滅菌は、微細なフィルターを通して微生物を除去する方法です。熱に不安定な成分を含む培地(例:血清、薬剤)や、液体培地で熱を加えたくない場合に非常に有効です。物理的に微生物を除去するため、培地の熱による劣化を防ぐことができます。
- 4. 放射線滅菌(ガンマ線、電子線など)は、プラスチック製品や使い捨て医療器具、薬剤などの滅菌に用いられます。しかし、培地の成分に影響を与えたり、コストが高かったりするため、一般的な培地の滅菌方法としてはほとんど用いられません。正しくは:放射線滅菌は、医療器具や薬剤の滅菌には使われますが、一般的な培地の滅菌には適用されません。選びやすい理由:滅菌方法として存在するが、培地滅菌に適用されるケースが少ないことを知らないと誤って選びがちです。混同注意:滅菌法全般の知識と、培地の種類や滅菌法の適用範囲との関連性を混同する可能性があります。
- 5. 正解。高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)は、高温高圧の飽和水蒸気を利用して微生物を死滅させる最も一般的で効果的な滅菌方法です。ほとんどの培地、特に液体培地や固体培地の滅菌に広く用いられています。
国試ポイント
本問題は、臨床検査において日常的に使用される培地の滅菌方法について、それぞれの方法の原理と適用範囲を理解しているかを問うものです。特に、オートクレーブと濾過滅菌の使い分けが重要視されます。一般的な滅菌法と特殊な滅菌法の区別、および培地の種類に応じた最適な滅菌法の選択能力が試されます。
混同注意
滅菌方法の種類(ガス滅菌、乾熱滅菌、高圧蒸気滅菌、濾過滅菌、放射線滅菌)と、それぞれの方法が適用される対象(培地、器具、薬剤、プラスチック製品など)を混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
次に類似問題が出た場合、まず培地の種類(液体か固体か、熱に安定か不安定か)を確認し、それに応じて高圧蒸気滅菌か濾過滅菌かを判断する。それ以外の滅菌法が選択肢にある場合は、培地滅菌には不適切であることを念頭に置く。
関連知識
各滅菌法の原理(熱、ガス、放射線、物理的除去)、それぞれの滅菌法のメリットとデメリット、滅菌効果の指標(D値など)、消毒と滅菌の違い。