輸入真菌症の原因菌はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
輸入真菌症とは、日本国内では通常見られない、または発生が稀な真菌症で、感染者が海外で感染して日本に持ち込む、あるいは海外から病原体が持ち込まれて感染が成立するものを指します。Coccidioides immitisはアメリカ大陸南西部などの特定地域に固有の真菌であり、日本で診断されるコッキジオイデス症はほぼ全て海外渡航歴に関連しているため、輸入真菌症の代表例です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。Coccidioides immitisは、主にアメリカ大陸南西部や中南米の乾燥地域に分布する真菌で、コッキジオイデス症(渓谷熱)の原因となります。この疾患は日本国内では稀であり、海外渡航歴のある患者で発症するため、輸入真菌症の代表的な原因菌とされています。
- 2. Exophiala dermatitidisは、主に黒色真菌症の一種である深在性真菌症や、皮膚・皮下組織の感染症を引き起こすことがあります。日本国内でも報告があり、輸入真菌症として特別視されることは稀です。正しくは:Exophiala dermatitidisは日本国内でも報告される深在性真菌症の原因菌であり、輸入真菌症の主要な原因菌とはされません。選びやすい理由:真菌症の原因菌であることは正しいですが、輸入真菌症に特有であるという認識は誤りです。混同注意:他の一般的な真菌症の原因菌と混同し、地理的分布を考慮しない場合。
- 3. Malassezia furfurは、ヒトの皮膚の常在真菌であり、マラセチア毛包炎や癜風などの表在性真菌症の原因となります。これは日常的に見られる真菌症であり、輸入真菌症ではありません。正しくは:Malassezia furfurはヒトの皮膚の常在菌であり、表在性真菌症の原因となりますが、輸入真菌症とは関係ありません。選びやすい理由:「真菌」であることだけに着目すると選んでしまう可能性があります。混同注意:真菌症全般の原因菌と輸入真菌症の原因菌を混同している場合。
- 4. Rhizopus arrhizus(旧名R. oryzae)は、ムコール症(接合菌症)の原因菌の一つであり、日和見感染として重篤な感染症を引き起こすことがあります。しかし、この真菌は環境中に広く存在し、特定の地域に限定される輸入真菌症の原因菌ではありません。正しくは:Rhizopus arrhizusは環境中に広く分布する真菌で、ムコール症の原因となりますが、輸入真菌症に特有の原因菌ではありません。選びやすい理由:重篤な真菌症の原因菌であるため、深刻な感染症を引き起こす菌というイメージから選んでしまう可能性があります。混同注意:日和見感染の原因菌と輸入真菌症の原因菌を混同している場合。
- 5. Sporothrix schenckiiは、スポロトリコーシス(皮膚・皮下真菌症)の原因菌です。この真菌は土壌や植物に広く分布しており、日本国内でも発生が見られます。海外からの輸入に特化した真菌症とは言えません。正しくは:Sporothrix schenckiiは土壌や植物に広く分布し、日本国内でも報告されるスポロトリコーシス(皮膚・皮下真菌症)の原因菌であり、輸入真菌症の主要な原因菌とはされません。選びやすい理由:植物との関連や、皮膚の病変を引き起こすことから、なんとなく海外由来のイメージを持つ受験生もいるかもしれません。混同注意:地理的限定性のない環境真菌と輸入真菌症の原因菌を混同している場合。
国試ポイント
輸入感染症の知識、特に日本国内での疫学が異なる主要な真菌症の原因菌を識別できるかどうかが問われています。各真菌の地理的分布とそれが引き起こす疾患が重要です。
混同注意
一般的な深在性真菌症や日和見真菌症の原因菌と、特定の地理的分布を持つ輸入真菌症の原因菌を混同しやすい。特に、CandidaやAspergillus、Cryptococcusなどの一般的な深在性真菌症の原因菌は、輸入真菌症とは区別して理解する必要があります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、「輸入真菌症」というキーワードがあれば、その真菌が日本国内では稀で、特定の海外地域に分布しているかどうかを判断基準とします。
関連知識
輸入真菌症の他の例としては、ヒストプラズマ症(Histoplasma capsulatum)、ブラストミセス症(Blastomyces dermatitidis)、パラコッキジオイデス症(Paracoccidioides brasiliensis)などがあります。これらも特定の地理的分布を持ちます。輸入感染症全体(細菌、ウイルス、寄生虫も含む)の知識も関連します。