単純糖尿病網膜症にみられない眼底所見はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
単純糖尿病網膜症は、非増殖性糖尿病網膜症とも呼ばれ、微小血管瘤、点状・斑状出血、硬性白斑、綿花様白斑、網膜内微小血管異常(IRMA)、網膜浮腫などが主な所見です。これに対し、血管新生は網膜の虚血が進行した結果として発生し、増殖糖尿病網膜症の特徴的な所見となります。新生血管の発生は、さらなる出血や網膜剥離のリスクを高めるため、重症度を分類する上で重要な指標です。
選択肢ごとの解説
- 1. 硬性白斑は、網膜の血管から漏出したリポタンパク質が沈着したもので、単純糖尿病網膜症を含む糖尿病網膜症の進行度に関わらず見られる一般的な所見です。正しくは:硬性白斑は単純糖尿病網膜症でも見られます。選びやすい理由:白斑という言葉が重症度を連想させやすいですが、硬性白斑自体は単純型でも見られます。混同注意:軟性白斑(綿花様白斑)は虚血を示唆し、増殖糖尿病網膜症で見られやすいですが、硬性白斑とは異なります。
- 2. 正解。新生血管の発生は、網膜の虚血が進行した結果として起こり、増殖糖尿病網膜症の特徴的な所見です。単純糖尿病網膜症では新生血管は認められません。正しくは:新生血管は増殖糖尿病網膜症の所見であり、単純糖尿病網膜症では見られません。選びやすい理由:糖尿病網膜症全体の重篤なイメージから、新生血管が早期から見られると誤解することがあります。混同注意:微小血管瘤や網膜内出血といった他の血管病変と混同しやすいですが、新生血管は血管が新たに形成されるもので、より進行した病態を示します。
- 3. 点状出血は、網膜の毛細血管からの微小な出血であり、単純糖尿病網膜症の初期段階から頻繁に見られる所見です。正しくは:点状出血は単純糖尿病網膜症でも見られます。選びやすい理由:出血という言葉から重症度を連想するかもしれませんが、点状出血は初期の所見です。混同注意:より大きな網膜内出血や硝子体出血と混同することがありますが、点状出血は微細なものです。
- 4. 黄斑浮腫を含む限局性の浮腫は、網膜血管からの血液成分の漏出によって引き起こされ、単純糖尿病網膜症の段階でも発生し得ます。特に糖尿病黄斑浮腫は視力低下の主要な原因となります。正しくは:限局性浮腫は単純糖尿病網膜症でも見られます。選びやすい理由:浮腫という状態が進行度を連想させやすいですが、初期段階でも発生します。混同注意:牽引性網膜剥離に伴う浮腫と混同しやすいですが、単純型で起こる浮腫は血管透過性亢進によるものです。
- 5. 網膜動脈瘤は、網膜毛細血管の拡張・嚢状隆起であり、単純糖尿病網膜症の最も初期から見られる特徴的な所見の一つです。正しくは:網膜動脈瘤は単純糖尿病網膜症でも見られます。選びやすい理由:「動脈瘤」という響きが重篤なイメージを与えやすいですが、糖尿病網膜症では早期から見られます。混同注意:新生血管と混同しやすいですが、動脈瘤は既存の血管の病変であり、新生血管とは異なります。
国試ポイント
糖尿病網膜症の病期分類と、それぞれの病期で特徴的に見られる眼底所見を正確に区別できるかどうかが問われる問題です。特に「新生血管」が増殖型に限定されることを理解しているかが重要です。
混同注意
新生血管と微小血管瘤(網膜動脈瘤)や、硬性白斑と軟性白斑(綿花様白斑)を混同しやすいです。これらは見た目や病態生理が異なるため、注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合は、「前増殖糖尿病網膜症の特徴的な所見はどれか」や「増殖糖尿病網膜症の主な合併症はどれか」といった、各病期の詳細な鑑別が問われる可能性が高いです。
関連知識
糖尿病網膜症の病期分類(単純、前増殖、増殖)、各病期での典型的な眼底所見、そして主な合併症(黄斑浮腫、硝子体出血、牽引性網膜剥離)について理解しておく必要があります。また、蛍光眼底造影検査の所見や、治療法(レーザー光凝固、抗VEGF療法、硝子体手術)についても関連知識として重要です。