針筋電図検査の対象とならない病態はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
ミオクローヌスは不随意運動の一種であり、通常、脳や脊髄の病変に起因する中枢神経系の異常を示唆します。針筋電図は、主に末梢神経および筋肉そのものの機能的異常を評価する検査であり、中枢神経由来の不随意運動の診断には直接的な適応ではありません。ミオクローヌスを診断するためには、脳波検査や頭部MRIなどの画像診断がより適切です。
選択肢ごとの解説
- 1. 筋肉の萎縮は神経原性(神経が障害されるため)または筋原性(筋自体の障害)のいずれによっても生じ得るため、針筋電図検査の重要な対象である。選びやすい理由:筋肉の見た目の変化なので、直接的な検査対象と思われがちだが、原因特定のために針筋電図は有用。混同注意:単純な見た目の変化と、機能的な評価の必要性。
- 2. 筋力の低下は、運動神経の障害、神経筋接合部の障害、筋自体の障害など、針筋電図で評価可能な多くの疾患で主症状となるため、対象として適切である。選びやすい理由:筋力の低下は多くの疾患で見られる一般的な症状であるため、鑑別診断のために針筋電図が有用である。混同注意:漠然とした筋力低下と、特定の部位やメカニズムによる筋力低下の鑑別。
- 3. 筋肉の過度な収縮(例えば痙攣、線維束性収縮など)は、末梢神経の興奮性亢進や筋自体の異常によって生じることがあり、針筋電図で異常電位を検出できるため対象となる。選びやすい理由:不随意運動と一括りに考えがちだが、その原因が末梢神経や筋である場合は針筋電図の対象となる。混同注意:ミオクローヌスなどの不随意運動と、末梢神経・筋由来の過剰収縮。
- 4. 血中CK値の上昇は筋細胞の破壊を示唆するものであり、筋炎や筋ジストロフィーなどの筋原性疾患で高値となる。これらの疾患は針筋電図の重要な対象である。選びやすい理由:血液検査の結果であり、直接筋の活動を見るものではないと考えるかもしれないが、筋疾患の客観的指標である。混同注意:血液検査と電気生理検査の役割分担。
- 5. 正解。ミオクローヌスは中枢神経系の興奮性亢進によって生じる不随意運動であり、針筋電図では原因となる中枢神経病変を直接評価することはできない。主に脳波検査や画像診断が適応となる。正しくは:ミオクローヌスの評価には、脳波検査や頭部MRIなどがより適切である。選びやすい理由:不随意運動であるため、筋肉の異常として捉えられがちだが、その発生源は中枢神経系であるため、針筋電図の直接的な対象ではない。混同注意:痙攣や線維束性収縮といった末梢神経・筋由来の不随意運動。
国試ポイント
針筋電図検査の適応疾患(神経原性疾患、筋原性疾患)と、適応とならない中枢神経疾患の鑑別を覚える。
混同注意
不随意運動の中でも、筋疾患や神経筋接合部疾患でみられる痙攣や線維束性収縮は針筋電図の対象となり得るため、ミオクローヌスとの鑑別が重要である。
次に同じ論点が出たら
針筋電図の適応が問われた場合、それが末梢神経系(神経根、神経叢、末梢神経)または筋そのもの(筋疾患)に起因する症状・状態であるか否かを確認する。
関連知識
針筋電図は、筋線維の活動電位や運動単位電位を評価し、神経原性変化(神経支配領域の拡大、多相性電位の増加など)と筋原性変化(低振幅・短持続電位、早期動員など)を鑑別するのに有用である。例えば、筋萎縮性側索硬化症(ALS)やギラン・バレー症候群では神経原性変化が、筋ジストロフィーや多発性筋炎では筋原性変化が認められる。