加温染色を行うのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
チール・ネルゼン染色は抗酸菌の検出に用いられる染色法です。この染色法では、染料を菌体内部に浸透させるために加温が必要となります。ミコール酸を含む抗酸菌の細胞壁は染料が入りにくい構造をしているため、加熱によって染料の浸透を促し、その後の脱色液に対しても抵抗性を示すことで抗酸菌を識別します。
選択肢ごとの解説
- 1. グラム染色は加温を必要としません。主なステップはクリスタルバイオレットでの染色、ヨウ素液での媒染、アルコールでの脱色、サフラニンでの対比染色です。正しくは:グラム染色は加温なしで行います。選びやすい理由:一般的な染色法であり、名称がよく知られているため、深く考えずに選んでしまう可能性があります。混同注意:抗酸菌染色のような特殊な染色法と混同することがあります。
- 2. ナイセル染色はジフテリア菌の異染性顆粒を検出する染色法で、加温は通常行いません。正しくは:ナイセル染色は加温なしで行います。選びやすい理由:特殊な染色法の一つであるため、知識があいまいな場合、加熱の有無について誤解する可能性があります。混同注意:莢膜染色や芽胞染色など、他の特殊染色法の加温の有無と混同することがあります。
- 3. ヒメネス染色はリケッチアやクラミジアなどの染色に用いられますが、加温は必須ではありません。正しくは:ヒメネス染色は加温なしで行います。選びやすい理由:あまり頻繁に登場しない染色法であるため、詳細な手順を覚えていない場合に間違って選ぶ可能性があります。混同注意:グラム陰性菌の一部を染める際に使用されることがあるため、グラム染色との区別が曖昧な場合があります。
- 4. オーラミンO染色は蛍光染色法の一種で、抗酸菌を検出するために用いられますが、加熱は必要ありません。蛍光顕微鏡を用いるため、Ziehl-Neelsen染色とは異なる方法です。正しくは:オーラミンO染色は加温なしで行います。選びやすい理由:抗酸菌検出に用いられるため、チール・ネルゼン染色と同じく加温が必要だと誤解しやすいです。どちらも抗酸菌染色ですが、原理が異なります。混同注意:同じ抗酸菌染色であるチール・ネルゼン染色(加温あり)と混同しやすいです。
- 5. 正解。チール・ネルゼン染色は抗酸菌を検出するための代表的な染色法です。菌の細胞壁に含まれるミコール酸が染料を弾く性質があるため、加熱により細胞壁の透過性を高め、染料(石炭酸フクシン)を菌体内に浸透させます。
国試ポイント
微生物学検査における各種染色法の原理と、特に加熱などの特殊な操作が必要な染色法を正確に理解しているかが問われます。抗酸菌染色には複数の方法がありますが、加温が必要なものと不要なものの区別が重要です。
混同注意
チール・ネルゼン染色とオーラミンO染色(どちらも抗酸菌染色ですが、オーラミンO染色は加温不要)が特に混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後、同様の問題が出た場合は、各染色法の具体的な手順(特に前処理や特殊な試薬、物理的な操作)と、その目的を正確に把握しているかを確認する必要があります。
関連知識
抗酸菌の定義(ミコール酸を持つ菌)、グラム染色陰性菌と陽性菌の細胞壁構造の違い、その他の特殊染色(芽胞染色、莢膜染色、鞭毛染色など)の操作と目的。