対策とその作業の組合せで誤っているのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
使用済み注射針のリキャップは、針刺し事故の最も主要な原因の一つとされており、感染対策の観点からは厳禁とされています。針刺し事故は、血液媒介感染症(B型肝炎、C型肝炎、HIVなど)のリスクを伴うため、使用後は直ちに安全な廃棄容器に捨てるのが正しい感染対策です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。感染対策の基本は、使用済み注射針のリキャップを行わないことです。リキャップは針刺し事故のリスクを高めるため、禁止されています。正しくは:感染対策として、使用済み注射針はリキャップせずに安全な容器に廃棄します。選びやすい理由:「徹底」という言葉から、良いことのように錯覚しやすいかもしれませんが、リキャップは誤った感染対策です。混同注意:「感染対策」という大枠でとらえると、何らかの予防行動と結びつけてしまいがちですが、針刺し事故予防が最優先されます。
- 2. 災害発生時に医療機関が機能し続けるためには、外部からの支援や内部での人員・物資の効率的な配分を定めた診療支援体制の構築は必須です。これは適切な組み合わせです。選びやすい理由:災害対策は多岐にわたるため、これが完璧な対策か迷うかもしれませんが、重要な一環です。混同注意:単なる物資の備蓄だけでなく、実際に医療を提供できる体制であることがポイントです。
- 3. 患者さんへの適切な接し方を学ぶ上で、ロールプレイングなどを用いた疑似体験学習は、コミュニケーション能力の向上に非常に有効な手法です。これは適切な組み合わせです。選びやすい理由:座学だけでなく体験学習が必要か、と疑問に思うかもしれませんが、実践的なスキルには有効です。混同注意:単なるマナー講習と混同しやすいかもしれませんが、具体的な場面を想定した学習はより深い理解につながります。
- 4. 検査におけるヒューマンエラーを防ぎ、品質を保つためには、全ての作業者が同じ手順で正確に作業できるよう、標準作業手順書(SOP)を整備することが極めて重要です。これは適切な組み合わせです。選びやすい理由:SOPの作成だけで本当に過誤が防げるのか、と疑問に思うかもしれませんが、これは基本中の基本であり、重要な対策です。混同注意:SOPの作成だけでなく、定期的な見直しや教育も重要ですが、作成自体が対策の第一歩です。
- 5. 医療事故を未然に防ぎ、再発を防止するためには、事故に至らなかったヒヤリハット事例(インシデント)を報告・分析することが非常に有効です。これは適切な組み合わせです。選びやすい理由:インシデントレポートは事故“後”の対応と捉えられがちですが、事故“防止”のための重要な情報収集手段です。混同注意:アクシデント(医療事故)レポートとインシデントレポートの違いを混同しやすいですが、インシデントレポートは未然防止に焦点を当てています。
国試ポイント
医療安全に関する基本的な知識、特に感染対策における具体的な行動規範が問われています。医療従事者としての常識的な判断力が必要です。特に「やってはいけないこと」が「良いこと」のように書かれている選択肢に注意が必要です。
混同注意
一般的な安全意識と、医療現場における専門的な感染対策の知識との混同。針を「安全に」扱うことと、リキャップすることの意味合いの誤解。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、各対策の「目的」と、提示された作業がその目的に対して「適切か(むしろ逆効果ではないか)」を論理的に判断することが求められます。特に感染対策や事故防止策では、安全を確保するための具体的な手順や、推奨されない行為を正確に理解しているかを確認します。
関連知識
医療廃棄物の適切な分類と処理、標準予防策(スタンダードプリコーション)の概念、針刺し事故発生時の対応プロトコル、インシデント・アクシデント報告制度。