IgEについて正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
IgEの重鎖(H鎖)の定常領域は、他の免疫グロブリンであるIgG、IgA、IgDが3つのドメイン(CH1, CH2, CH3)を持つに対し、IgEとIgMは4つのドメイン(Cε1, Cε2, Cε3, Cε4 / Cμ1, Cμ2, Cμ3, Cμ4)から構成されています。この追加のドメインがIgEの長いH鎖と、マスト細胞や好塩基球のFcεRに高い親和性で結合する特性に関与しています。
選択肢ごとの解説
- 1. IgEは単量体であり、J鎖は主に分泌型IgAや分泌型IgMなどの多量体免疫グロブリンに存在し、それらの重合に関与します。IgEはB細胞の表面やマスト細胞、好塩基球の表面レセプターに結合する単量体として機能します。正しくは:J鎖は分泌型IgAや分泌型IgMなどの多量体免疫グロブリンが持つ構造です。選びやすい理由:J鎖は免疫グロブリンの構造要素の一つとして知られているため、一般的な知識として選択肢に含めやすいです。混同注意:IgAやIgMなど、J鎖を持つ他の免疫グロブリンの構造と混同しやすいです。
- 2. IgEは補体を活性化しません。補体活性化の主要な経路である古典経路は、主にIgGやIgMが抗原と結合することで開始されます。正しくは:補体を活性化させる働きは、主にIgG(古典経路)やIgM(古典経路)に見られます。選びやすい理由:免疫グロブリンが免疫反応において重要な役割を果たすため、補体活性化もその機能の一部だと誤解しやすいです。混同注意:IgGやIgMが補体活性化に関与することと混同しやすいです。
- 3. IgEにはサブクラスは確認されていません。サブクラスが存在するのはIgG(IgG1, IgG2, IgG3, IgG4)とIgA(IgA1, IgA2)です。正しくは:IgEにはサブクラスは存在しません。選びやすい理由:IgGやIgAにサブクラスがあるため、IgEにもあると思い込みやすいです。混同注意:IgGやIgAのサブクラスの知識と混同しやすいです。
- 4. IgEは単量体であり、その分子量はおよそ190,000〜200,000程度です。900,000という分子量は、ペンタマー(五量体)であるIgMの分子量(約970,000)に近い値です。正しくは:IgEの分子量はおよそ190,000〜200,000です。選びやすい理由:免疫グロブリンは比較的大きなタンパク質であるため、大きな分子量が正しいと思ってしまうことがあります。混同注意:IgMの分子量と混同しやすいです。
- 5. 正解。IgEとIgMは、H鎖の定常部(Fc領域)に4つのドメイン(Cε1, Cε2, Cε3, Cε4)を持っています。一方、IgG, IgA, IgDは3つのドメイン(CH1, CH2, CH3)を持っています。この定常部ドメイン数の違いは、それぞれの免疫グロブリンの構造的特徴の一つです。
国試ポイント
免疫グロブリンの基本的な構造と機能の違いを理解しているか問う問題です。特に、IgEとIgMがH鎖定常部に4つのドメインを持つという特徴は頻出です。その他、J鎖の有無、補体活性化能、サブクラスの有無、分子量など、各免疫グロブリンに特有の性質を正確に覚えているかがポイントとなります。
混同注意
IgG, IgA, IgDのH鎖定常部ドメイン数(3個)と、IgE, IgMのH鎖定常部ドメイン数(4個)を混同しやすいです。また、各免疫グロブリンの機能(例: 補体活性化、アレルギー反応、胎盤通過など)も混同しやすいため、それぞれの特徴を明確に区別して覚える必要があります。
次に同じ論点が出たら
H鎖の定常部ドメイン数に関する問題が出た場合、まずIgEとIgMが4個、IgG, IgA, IgDが3個という基本事項が頭に入っているかを確認します。次に、それぞれの免疫グロブリンがどのような形態で存在するか(単量体、多量体)、そしてそれぞれの主な機能(補体活性化、アレルギー反応など)を正確に想起できるかをチェックします。
関連知識
免疫グロブリンの構造(軽鎖、重鎖、可変部、定常部、ヒンジ領域、ドメイン構造)、クラスごとの分子形態(単量体、二量体、五量体)、各クラスの主要な機能(IgG: 胎盤通過、二次応答、補体活性化。IgA: 粘膜免疫。IgM: 初期応答、補体活性化。IgD: B細胞の抗原受容体。IgE: アレルギー反応、寄生虫防御)。