FISH法について正しいのはどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・4番
解説
FISH法は、染色体上の特定の遺伝子領域を蛍光標識されたプローブとハイブリダイズさせることで、その位置や数、異常を検出する分子細胞遺伝学的手法です。染色体転座やキメラ遺伝子(融合遺伝子)のような構造異常の検出に広く用いられます。観察には蛍光顕微鏡が必要です。標本は蛍光色素の退色により永久保存には向かず、核の対比染色にはDAPIなどが用いられます。
選択肢ごとの解説
- 1. FISH法で用いる蛍光色素は退色しやすいため、標本は一時的なものであり、長期保存には適さない。核型分析に用いるGバンド染色標本などと比較して、保存性には劣る。正しくは:作製された標本は、蛍光色素の退色により一時的なものとなる。選びやすい理由:一般的な病理標本が永久保存されるため、組織学的検査全般にわたって標本が恒久的であると誤解しやすい。混同注意:通常のHE染色などの永久標本。
- 2. 正解。FISH法は、特定の遺伝子領域や染色体領域を蛍光プローブで標識し、細胞内の位置を視覚化するため、染色体転座のような構造異常の検出に非常に有効である。
- 3. FISH法で標識された蛍光シグナルを観察するためには、蛍光顕微鏡が必要である。偏光顕微鏡は複屈折性を持つ物質の観察に用いられる。正しくは:観察には蛍光顕微鏡を使用する。選びやすい理由:様々な種類の顕微鏡があるため、知識が曖昧だと誤った顕微鏡を選択してしまう可能性がある。混同注意:蛍光顕微鏡と偏光顕微鏡の用途の違い。
- 4. 正解。FISH法は、特定の遺伝子配列を持つプローブを用いて細胞内の遺伝子を検出するため、融合遺伝子(キメラ遺伝子)の存在を視覚的に確認するのに適している。例えば、BCR-ABL融合遺伝子などの検出に用いられる。
- 5. FITCは蛍光プローブ自体を標識する際に広く用いられる蛍光色素であるが、細胞核全体の対比染色(カウンターステイン)には、DAPI(4',6-ジアミジノ-2-フェニルインドール)などの核酸結合性蛍光色素が一般的に使用される。正しくは:細胞核の対比染色にはDAPIなどが用いられる。選びやすい理由:FITCが蛍光色素として非常に有名であるため、核染色にも使われると誤解しやすい。また、蛍光顕微鏡観察に関連する知識が問われている点で、関連性が高いと感じやすい。混同注意:蛍光プローブを標識する色素と、核を対比染色する色素の違い。
国試ポイント
FISH法の基本的な原理、用途、およびそれに伴う手技や観察方法に関する知識が問われています。特に、どのような目的で、どのようなツール(顕微鏡、色素)が使われるか、またその特徴(標本の保存性)を正確に理解しているかが重要です。
混同注意
FISH法とGバンド法などの他の染色体検査法との用途や原理の違い、また、蛍光色素の種類とそれぞれの役割(プローブ標識 vs. 核対比染色)について混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出た場合、FISH法のどの種類のプローブ(例:セントロメアプローブ、テロメアプローブ、ペインティングプローブ、融合プローブ)が、どのような遺伝子異常の検出に適しているか、さらに深く問われる可能性があります。また、より新しい遺伝子検査技術(次世代シーケンサーなど)との比較も重要になります。
関連知識
FISH法の種類(インターフェースFISH、メタフェーズFISHなど)、様々な遺伝子異常(欠失、重複、異数性)の検出、臨床応用例(がん診断、出生前診断など)、FISH法以外の分子細胞遺伝学的手法(CGH、マイクロアレイなど)。