骨髄血塗抹May-Giemsa染色標本(別冊No. 11)を別に示す。診断に有用な表面抗原はどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
提示されたMay-Giemsa染色標本で形質細胞の著しい増殖が認められることから、多発性骨髄腫の病態を想定する。多発性骨髄腫の診断においては、骨髄腫細胞がCD38とCD138を強く発現することが特徴的であり、これらは重要な診断マーカーである。したがって、CD38が診断に有用な表面抗原として適切である。
選択肢ごとの解説
- 1. CD4はヘルパーT細胞などのマーカーであり、骨髄腫形質細胞の診断には通常用いられません。正しくは:骨髄腫形質細胞の診断にはCD38、CD138などが有用です。選びやすい理由:リンパ系細胞のマーカーであるため、血液疾患の診断に関わると考えやすいかもしれませんが、特定の疾患と結びつける知識が必要です。混同注意:他のT細胞マーカー(CD3、CD8)やB細胞マーカー(CD19、CD20)と混同しやすいです。
- 2. CD13は骨髄系細胞に発現するマーカーですが、多発性骨髄腫の診断における形質細胞の特異的なマーカーではありません。正しくは:骨髄腫形質細胞の診断にはCD38、CD138などが有用です。選びやすい理由:骨髄系腫瘍の診断に用いられることがあるため、血液疾患全般で重要だと思われやすいです。混同注意:AMLなどの骨髄系疾患で陽性となるCD13やCD33と混同しやすいです。
- 3. CD25は活性化T細胞や一部の白血病細胞に発現しますが、多発性骨髄腫の形質細胞の主要な診断マーカーではありません。正しくは:骨髄腫形質細胞の診断にはCD38、CD138などが有用です。選びやすい理由:リンパ系悪性腫瘍の一部で陽性となることがあるため、血液疾患全般で重要だと思われやすいです。混同注意:HTLV-1関連T細胞白血病/リンパ腫などで高発現するイメージと混同しやすいです。
- 4. CD34は造血幹細胞や前駆細胞に発現するマーカーであり、成熟した形質細胞である骨髄腫細胞には通常発現しません。正しくは:骨髄腫形質細胞の診断にはCD38、CD138などが有用です。選びやすい理由:未熟な造血器腫瘍(急性白血病など)の診断に非常に重要なマーカーであるため、この選択肢が正しく見えやすいです。混同注意:急性骨髄性白血病(AML)や急性リンパ性白血病(ALL)の芽球に陽性となることと混同しやすいです。
- 5. 正解。多発性骨髄腫では、骨髄腫細胞(形質細胞)がCD38とCD138を強く発現することが特徴的であり、診断や治療効果判定に極めて有用な表面抗原です。May-Giemsa染色で認められる形質細胞の増殖所見(「別冊No.11」の画像内容)と合わせて、CD38の陽性は多発性骨髄腫の診断を強く支持します。
国試ポイント
画像所見(骨髄血塗抹像における形質細胞の増殖)と、それに関連する疾患(多発性骨髄腫)の診断に用いる免疫学的表面抗原マーカーの知識を問う問題。特に、疾患特異的なマーカーを正確に識別できるかがポイントとなる。
混同注意
CD34は未熟細胞マーカー、CD13は骨髄系マーカーとして誤って選択されやすい。骨髄腫細胞は成熟した形質細胞に由来するため、未熟マーカーであるCD34は通常陰性であること、骨髄系マーカーであるCD13は形質細胞では陰性であることを理解しておく必要がある。
次に同じ論点が出たら
今後同様の画像問題が出題された場合、まず染色標本から疑われる疾患を特定する(この場合は形質細胞の増加から多発性骨髄腫)。次に、その疾患の診断に特異的または特に有用とされる表面抗原(免疫マーカー)を想起し、選択肢の中から最も適切なものを選ぶ。特に、成熟度に応じたマーカーの発現パターン(例:CD34は未熟細胞、CD38/CD138は成熟形質細胞)を意識して選択肢を検討する。
関連知識
多発性骨髄腫の診断基準には、Mタンパクの存在、形質細胞の増殖(骨髄中の形質細胞比率)、臓器障害(CRAB症状:高カルシウム血症、腎不全、貧血、骨病変)などが含まれる。免疫表現型解析では、CD38、CD138の陽性、CD19の陰性が骨髄腫細胞の特徴とされることが多い。予後因子として、CD45の発現の有無なども重要となる。