腎組織の未固定凍結切片を用いた免疫組織化学染色(別冊No. 9)を別に示す。この染色法について正しいのはどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
提示画像は蛍光色素による免疫組織化学染色で、主に蛍光顕微鏡で観察される。この染色法では、抗体に直接フルオレセインイソチオシアネート(FITC)などの蛍光色素を結合させ、標的抗原を可視化する直接法や間接法が用いられる。
選択肢ごとの解説
- 1. 蛍光抗体法において抗原賦活化のための加熱処理は通常行われない。未固定凍結切片は、抗原性が保持されているため、加熱処理は不要である。正しくは:加熱処理は必須ではない。未固定凍結切片の蛍光抗体法では、抗原賦活化は通常不要。選びやすい理由:パラフィン切片の酵素抗体法などでは加熱処理(抗原賦活化)が必要な場合があるため、混同しやすい。混同注意:パラフィン包埋切片の酵素抗体法における抗原賦活化。
- 2. 蛍光抗体法では蛍光色素を標識した抗体を用いるため、発色反応操作は不要である。発色反応は酵素抗体法で必要とされる。正しくは:発色反応操作は不要である。選びやすい理由:一般的な酵素抗体法では発色反応が必要なため、広義の免疫組織化学染色として混同しやすい。混同注意:酵素抗体法(HRP、APなどを用いたDAB、BCIP/NBT発色)。
- 3. 提示画像は蛍光染色であり、蛍光色素の励起光と発光を検出するため蛍光顕微鏡で観察する。偏光顕微鏡はアミロイドなどの複屈折性物質の観察に用いる。正しくは:蛍光顕微鏡で観察する。選びやすい理由:顕微鏡観察の知識として偏光顕微鏡も一般的であり、アミロイドーシスなどの腎疾患との関連で連想されやすいため。混同注意:アミロイドーシスにおけるコンゴレッド染色後の偏光顕微鏡観察。
- 4. 内因性ペルオキシダーゼ活性の阻害は、酵素抗体法でバックグラウンド染色を抑制するために行われる操作である。蛍光抗体法ではペルオキシダーゼを用いないため、この操作は不要である。正しくは:内因性ペルオキシダーゼの活性阻害は不要である。選びやすい理由:酵素抗体法では一般的な前処理であり、免疫組織化学染色の一般的なステップとして誤解されやすい。混同注意:酵素抗体法における内因性酵素活性阻害(例:過酸化水素によるペルオキシダーゼ阻害)。
- 5. 正解。提示画像は腎糸球体の蛍光抗体染色像であり、緑色の蛍光が観察される。これはフルオレセインイソチオシアネート(FITC)などの蛍光色素で標識された抗体を用いた結果である。FITCは最も一般的な蛍光色素の一つで、緑色の蛍光を発する。
国試ポイント
免疫組織化学染色、特に蛍光抗体法の原理と適応疾患を理解すること。
混同注意
酵素抗体法と蛍光抗体法で用いる標識の違い、観察方法の違い。
次に同じ論点が出たら
添付画像で緑色の蛍光が観察できる場合、それは蛍光抗体法が用いられていることを示唆する。この場合、蛍光色素が標識された抗体を使用していると判断する。
関連知識
蛍光抗体直接法と間接法の違い、使用する蛍光色素の種類(FITC、Rhodamineなど)、腎疾患における免疫複合体の沈着様式と関連疾患(例:IgA腎症、膜性腎症)。