イムノクロマト法による抗原の検出が行われていない感染症はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
イムノクロマトグラフィー法は、検体中の抗原や抗体を迅速かつ簡便に検出できる免疫学的検査法です。肺炎球菌、溶血性連鎖球菌、B型肝炎ウイルス、インフルエンザウイルスなど、多くの感染症の迅速診断に利用されています。しかし、梅毒の診断では、病原体である梅毒トレポネーマの検出には暗視野顕微鏡による直接検出や遺伝子検査が行われることはありますが、抗原のイムノクロマトグラフィー法は一般的ではなく、主に抗体検査が用いられます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。梅毒の診断では、主に病原体である梅毒トレポネーマに対する抗体検査(STS法、TPHA法など)や、直接鏡検による病原体の確認が行われます。イムノクロマトグラフィー法を用いた抗原検出は通常行われません。正しくは:梅毒の診断には、梅毒トレポネーマに対する抗体検査や、暗視野顕微鏡での病原体直接検出が一般的です。選びやすい理由:他の感染症と比べて診断方法が特殊なため、迷いやすいかもしれません。混同注意:他の性感染症(例:クラミジア、淋菌)で抗原検査が行われる場合と混同する可能性がありますが、梅毒の場合は抗体検査が中心です。
- 2. 肺炎球菌感染症では、尿中の肺炎球菌抗原をイムノクロマトグラフィー法で検出することが、迅速診断に広く利用されています。正しくは:イムノクロマトグラフィー法で抗原検出が頻繁に行われます。選びやすい理由:イムノクロマト法が広く使われているため、正解肢から除外できる知識です。混同注意:診断方法が多岐にわたる感染症であるため、他の診断法(培養など)と混同するかもしれませんが、抗原検出も一般的です。
- 3. A群溶血性連鎖球菌(溶連菌)感染症(咽頭炎など)では、咽頭拭い液からの迅速抗原検出キット(イムノクロマトグラフィー法)が小児科などで広く用いられています。正しくは:イムノクロマトグラフィー法で抗原検出が頻繁に行われます。選びやすい理由:咽頭炎の診断によく用いられるため、正解肢から除外できる知識です。混同注意:他の細菌性咽頭炎の原因菌と混同するかもしれませんが、A群溶連菌の迅速診断はイムノクロマト法が主流です。
- 4. B型肝炎の診断では、HBs抗原(B型肝炎ウイルス表面抗原)やHBe抗原(B型肝炎ウイルスe抗原)の検出にイムノクロマトグラフィー法が用いられることがあります。特に簡易検査キットとして利用されます。正しくは:イムノクロマトグラフィー法で抗原検出が行われます。選びやすい理由:ウイルス性肝炎の検査が多岐にわたるため、迷うかもしれませんが、抗原の迅速検出にイムノクロマト法は使われます。混同注意:抗体検査(HBs抗体、HBc抗体など)や核酸増幅検査(HBV-DNA)と混同しやすいですが、初期診断やスクリーニングで抗原のイムノクロマト法も活用されます。
- 5. インフルエンザウイルス感染症では、鼻腔拭い液や咽頭拭い液からのインフルエンザウイルス抗原をイムノクロマトグラフィー法で検出する迅速診断キットが広く普及しています。正しくは:イムノクロマトグラフィー法で抗原検出が頻繁に行われます。選びやすい理由:日常的に遭遇する疾患であり、迅速診断キットの存在を知っているため、正解肢から除外できる知識です。混同注意:PCR法などの高感度な検査法と混同しやすいですが、臨床現場での迅速診断ではイムノクロマト法が第一選択です。
国試ポイント
イムノクロマトグラフィー法が適用される感染症と、そうでない感染症(特に抗体検査が主となる疾患)を区別できるかが問われています。各感染症の主要な診断方法を把握していることが重要です。
混同注意
各疾患の診断に用いられるさまざまな検査法(培養、PCR、抗体検査など)と、イムノクロマト法を用いた抗原検出を混同しないように注意が必要です。特に、感染症の種類によって抗原検査が主となるか、抗体検査が主となるかを理解しておくことが重要です。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出題された場合、他の感染症(例:アデノウイルス、RSウイルス、ロタウイルスなど)でイムノクロマト法が用いられるか否か、あるいは抗体検出イムノクロマト法が用いられる疾患(例:HIV抗体)などを確認する視点が必要です。
関連知識
イムノクロマトグラフィー法の原理(抗原抗体反応、毛細管現象、標識物質など)、他の免疫学的検査法(ELISA、凝集反応など)との比較、各感染症の病原体とその診断に適切な検体・検査法。