補体のコールドアクチベーション(寒冷活性化)で正しいのはどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・5番
解説
補体の寒冷活性化は、低温で活性化される補体系の異常な反応であり、多くの場合クリオグロブリン血症、特にHCV感染に伴う混合型クリオグロブリン血症で認められます。クリオグロブリンは抗体複合体として機能し、補体を活性化するため、C4が消費され低値となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。HCV感染は、混合型クリオグロブリン血症の主要な原因の一つであり、そのクリオグロブリンがHCVに対する抗体として機能することもあります。この免疫複合体が補体の寒冷活性化を引き起こします。選びやすい理由:HCV感染症とクリオグロブリン血症の関連はよく知られており、これが補体活性化と結びつくことは自然な流れです。混同注意:HCVが直接補体を活性化するわけではなく、HCV感染に関連する免疫複合体(クリオグロブリン)が補体を活性化する点。
- 2. 補体の寒冷活性化は主に古典経路を介して進行し、C4が消費されやすいですが、C3の消費はC4と比較して軽度であるか、正常範囲内にとどまることが多いです。C3の著しい低値は、より広範な補体活性化やC3腎症などで見られます。正しくは:C3の血中濃度は必ずしも低い値を示すわけではなく、正常範囲内であることも多い。選びやすい理由:補体活性化と聞くと、すべての補体成分が消費されて低値になると考える人がいるため。混同注意:全身性エリテマトーデス(SLE)など、古典経路の持続的な活性化によりC3も消費される病態。
- 3. 補体の寒冷活性化、特にクリオグロブリン血症においては、クリオグロブリンが免疫複合体を形成し、古典経路を活性化します。これによりC4が著しく消費されるため、C4の血中濃度は低い値を示します。正しくは:C4の血中濃度は低い値を示す。この記述は正しい。選びやすい理由:補体活性化と聞くと、C3とC4の両方が消費されると考える人がいるため、C4の低下のみを強調することに疑問を感じやすいかもしれない。混同注意:C3単独で低値を示す病態や、補充経路の活性化によるC3の選択的消費。
- 4. 血清補体価(CH50)は、古典経路の活性化能を総合的に評価する指標です。補体の寒冷活性化では、古典経路が活性化され補体成分(特にC4)が消費されるため、CH50は低下するのが一般的です。正しくは:血清補体価(CH50)は低い値を示す。選びやすい理由:「寒冷活性化」という特殊な病態のため、通常の補体価とは異なる動きをすると誤解する可能性があるため。混同注意:補体成分欠損症などで、CH50が全く測定されない場合や、感染症などで急性期反応として補体価が上昇する病態。
- 5. 正解。クリオグロブリンは低温で可逆的に沈殿する免疫グロブリンまたは免疫複合体であり、その多くはHCV感染症に伴う混合型クリオグロブリン血症で認められます。クリオグロブリンが補体活性化の引き金となり、寒冷活性化を引き起こします。選びやすい理由:クリオグロブリン血症とHCV感染症の関連は一般的によく知られているため、結びつけやすい。混同注意:クリオグロブリンが、補体活性化を直接引き起こす物質であると誤解する可能性があるが、実際は免疫複合体として機能し補体系を活性化する。
国試ポイント
補体の寒冷活性化が、HCV感染症やクリオグロブリンと関連すること、および補体価(特にC4)の変動を理解する。
混同注意
補体の寒冷活性化と、自己免疫疾患などで見られる古典経路の活性化、あるいは溶血性貧血などでの補体活性化を混同しないこと。寒冷活性化は特定のタンパク質が低温で凝集し、それが引き金となる点が特徴です。
次に同じ論点が出たら
補体活性化が疑われる場合、基礎疾患(HCV感染など)、関連する免疫学的検査(クリオグロブリンの有無)、および補体成分(C3、C4)の値を総合的に判断する。
関連知識
クリオグロブリン血症は、B細胞性リンパ増殖性疾患や自己免疫疾患、HCV感染症など様々な基礎疾患と関連しています。特にHCV関連のものはIgGとIgMの混合型が多く、IgMがIgGと結合して免疫複合体を形成し、古典経路を活性化します。これによりC4が消費されやすいという特徴があります。