血液型検査の結果を以下に示す。
| 抗A | 抗B | A₁赤血球 | B赤血球 | 抗D | Rhコントロール |
|---|---|---|---|---|---|
| 0 | 0 | 4+ | 4+ | 0 | 0 |
血液型を確定するために必要な検査はどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
Rh血液型におけるD抗原の弱発現型(weak D)や部分D(partial D)の可能性を排除するために、より感度の高い吸着解離試験や、ポリクローナル抗D試薬を用いた間接抗グロブリン試験(クームス法)を併用したD陰性確認試験が必要である。D抗原が陰性と判断されても、これらの特殊なD抗原が存在する場合があるため、追加検査でこれらを検出することが、輸血時の溶血性副作用を予防するために極めて重要となる。
選択肢ごとの解説
- 1. 吸着解離試験は、主に赤血球に吸着した抗体を同定する際に用いられる。D抗原の弱発現型や部分Dの確認にも一部適用可能だが、より直接的なD陰性確認試験が優先される。正しくは:D陰性確認試験(間接抗グロブリン試験を用いた抗D抗体反応)選びやすい理由:D抗原の特殊な型(weak Dなど)の検出に関わるため、関連する検査として選んでしまう可能性がある。混同注意:抗体同定試験、または赤血球に結合した抗体の性状を調べる検査。
- 2. 抗体同定試験は、不規則抗体が検出された際に、その抗体の特異性を明らかにするために行う。本症例は血液型確定のためのD抗原に関するものであり、不規則抗体の存在が示唆されているわけではないため不適切。正しくは:D陰性確認試験(間接抗グロブリン試験を用いた抗D抗体反応)選びやすい理由:血液型検査全般で不規則抗体の存在が問題となることがあるため、一般的な追加検査として選んでしまう可能性がある。混同注意:不規則抗体スクリーニング後の精密検査。
- 3. 糖転移酵素測定は、ABO式血液型でA抗原やB抗原を合成する酵素の活性を測定するもので、D抗原とは直接関係がない。D抗原はタンパク質性の抗原である。正しくは:D陰性確認試験(間接抗グロブリン試験を用いた抗D抗体反応)選びやすい理由:ABO式血液型に関連する知識であり、血液型検査という広い文脈で選んでしまう可能性がある。混同注意:ABO式血液型における表現型と遺伝子型の関連。
- 4. 正解。Rh血液型検査においてD抗原が陰性と判定された場合でも、weak D(弱D)やpartial D(部分D)の可能性を排除するために、より感度の高い間接抗グロブリン試験を用いたD陰性確認試験(クームス法)を追加で行う必要がある。これは輸血副作用予防のために必須の検査である。選びやすい理由:(正答のため該当なし)混同注意:(正答のため該当なし)
- 5. 直接抗グロブリン試験(DAT)は、生体内で赤血球表面に抗体や補体が結合しているかを検出する検査であり、自己免疫性溶血性貧血や新生児溶血性疾患の診断などに用いられる。今回の目的はD抗原の有無の確定であり、不適切である。正しくは:D陰性確認試験(間接抗グロブリン試験を用いた抗D抗体反応)選びやすい理由:抗グロブリン試験の一種であり、血液型や抗体検出に関連する検査であるため、選んでしまう可能性がある。混同注意:間接抗グロブリン試験、または不規則抗体スクリーニング。
国試ポイント
Rh式血液型検査におけるD抗原陰性の確認手順と、weak Dおよびpartial Dの概念。
混同注意
通常のD抗原検査で陰性でも、弱発現型D抗原や部分D抗原の存在を考慮する必要がある点が、単なる陰性反応と混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
血液型検査でD抗原陰性の場合、それが本当にD抗原を欠損しているのか、weak Dやpartial Dではないかを確認するために、感度の高いD陰性確認試験が必要か否か。
関連知識
Rh血液型不適合妊娠、新生児溶血性疾患(HDN)におけるD抗原の重要性。輸血副作用予防における交差適合試験の意義。