中間宿主を有するのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
糸状虫は吸血昆虫(蚊、ブユなど)を中間宿主として生活環を営む寄生虫です。一方、回虫、蟯虫、鉤虫、鞭虫はいずれも中間宿主を必要としない直接感染型の寄生虫です。
選択肢ごとの解説
- 1. 回虫(Ascaris lumbricoides)は中間宿主を介さず、直接感染します。排泄された虫卵が土壌中で成熟し、経口摂取されることで感染が成立します。正しくは:回虫は直接感染型(糞口感染)であり、中間宿主を必要としません。選びやすい理由:他の寄生虫と混同しやすいですが、代表的な直接感染型線虫です。混同注意:他の土壌媒介性線虫と混同されることがあります。
- 2. 蟯虫(Enterobius vermicularis)は中間宿主を必要とせず、感染者の肛門周囲に産み付けられた虫卵を直接経口摂取することで感染します(自家感染や接触感染が主)。正しくは:蟯虫は直接感染型であり、特に自家感染や接触感染で広がります。選びやすい理由:子どもに多く見られる寄生虫であり、感染経路が単純なため選びやすいかもしれません。混同注意:直接感染型の寄生虫であることを理解していないと、中間宿主がいると誤解することがあります。
- 3. 鉤虫(Ancylostoma duodenale, Necator americanusなど)は中間宿主を必要としません。土壌中で発育した感染性幼虫が、皮膚から侵入することで感染します(経皮感染)。正しくは:鉤虫は直接感染型(経皮感染)であり、中間宿主を必要としません。選びやすい理由:土壌との関連が深いため、複雑な生活環を持つと誤解されることがあります。混同注意:皮膚から感染する特性から、何らかの媒介者が必要と誤解されることがあります。
- 4. 鞭虫(Trichuris trichiura)は中間宿主を介さず、土壌中で発育した感染性虫卵を直接経口摂取することで感染します。正しくは:鞭虫は直接感染型(糞口感染)であり、中間宿主を必要としません。選びやすい理由:回虫と同じく土壌媒介性線虫であり、感染経路が似ているため混同しやすいです。混同注意:回虫や他の直接感染型線虫と生活環が似ているため、誤って中間宿主がいると考えてしまうことがあります。
- 5. 正解。糸状虫(フィラリア)は、サシチョウバエや蚊(例えばバンクロフト糸状虫はヒトスジシマカなど)といった吸血昆虫を中間宿主として利用します。ヒトの体内で成熟した虫が産むミクロフィラリアが中間宿主に取り込まれ、中間宿主の体内で感染幼虫へと発育し、再びヒトに感染します。
国試ポイント
寄生虫の生活環、特に中間宿主の有無を正確に理解しているかを問う問題です。代表的な寄生虫の感染経路を明確に区別できる知識が求められます。
混同注意
多くの寄生虫の名前は似ており、また感染経路も複雑なものから単純なものまで多岐にわたるため、個々の寄生虫について中間宿主の有無を正確に記憶しておくことが重要です。特に直接感染する線虫と、節足動物を中間宿主とする糸状虫を混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、まず各選択肢の寄生虫が「直接感染型」か「中間宿主を必要とする型」かを区別します。その後、中間宿主を必要とする寄生虫については、その中間宿主が何であるかまで確認できると万全です。
関連知識
吸血昆虫が媒介する他の疾患(マラリア、日本脳炎、デング熱など)、他の寄生虫における中間宿主(例: 肝吸虫の巻貝とコイ科魚類、広節裂頭条虫のケンミジンコと魚類)についても理解を深めると良いでしょう。