関節液の異常所見はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
関節液のタンパク質濃度は、正常であれば1.5g/dL以下ですが、炎症など病的な状態では血管透過性が亢進し、タンパク質が関節腔内に漏出しやすくなるため、濃度が上昇します。3.5g/dLは明らかに病的で、炎症性関節炎などの病態を示唆します。
選択肢ごとの解説
- 1. 正常な関節液は薄い黄色で透明な外観を示します。これは病的な状態を示す所見ではありません。正しくは:炎症性関節炎では混濁し、化膿性関節炎では膿性となることがあります。選びやすい理由:正常な所見であることを知らないと、特徴的な所見として選んでしまう可能性があります。混同注意:関節液の混濁や膿性などの異常な外観
- 2. 関節液の比重は、通常1.010〜1.015程度であり、1.010は正常範囲内の値です。病的な状態を示すものではありません。正しくは:炎症が強い場合、タンパク質濃度の上昇に伴い比重も若干上昇することがありますが、1.010は正常範囲内です。選びやすい理由:比重という項目が、体液の異常を示す指標となることを知っていると、つい選んでしまう可能性があります。混同注意:尿比重などの異常値
- 3. 正常な関節液の細胞数は50/μL以下(通常200/μL未満)であり、50/μLは正常範囲内の値です。病的な状態を示すものではありません。正しくは:細胞数が500/μLを超えると炎症性関節炎が疑われ、50,000/μL以上では化膿性関節炎が強く疑われます。選びやすい理由:細胞数が増加することが異常であるため、具体的な閾値を知らないと、この値でも異常と感じてしまう可能性があります。混同注意:細胞数500/μL以上(炎症性)や50,000/μL以上(化膿性)の異常な細胞数
- 4. 正常な関節液の好中球の割合は25%以下(通常10%未満)であり、10%は正常範囲内の値です。病的な状態を示すものではありません。正しくは:好中球の割合が50%を超えると炎症性関節炎が疑われ、75%以上では化膿性関節炎が強く疑われます。選びやすい理由:好中球の増加が炎症を示すため、具体的な閾値を知らないと、この値でも異常と感じてしまう可能性があります。混同注意:好中球比率50%以上(炎症性)や75%以上(化膿性)の異常な好中球比率
- 5. 正解。正常な関節液のタンパク質濃度は1.5g/dL以下ですが、炎症性関節炎などの病的な状態では血管透過性の亢進によりタンパク質が漏出し、濃度が上昇します。3.5g/dLは明らかに基準値を超えており、病的な状態を示す検査所見です。選びやすい理由:(正答なので特になし)混同注意:(正答なので特になし)
国試ポイント
関節液検査の基準値と、異常値が示す病態を覚えることが重要です。特に、炎症性関節炎と非炎症性関節炎の鑑別に関わる項目(細胞数、好中球比率、タンパク質濃度など)は頻出です。
混同注意
関節液の検査所見は、炎症性関節炎、変形性関節症、感染性関節炎などで特徴が異なります。特に、炎症性か非炎症性かの鑑別を混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合は、各検査項目の正常値と異常値の閾値を正確に把握しているか、また、その異常がどのような病態を反映しているかを確認して判断します。
関連知識
関節液検査は、関節疾患の診断に不可欠な検査であり、外観、粘稠度、細胞数、細胞の種類(好中球比率)、タンパク質濃度、糖濃度、結晶の有無などを総合的に評価します。正常関節液の基準値(無色透明、粘稠度高い、細胞数200/μL未満、好中球比率25%未満、タンパク質濃度1.5g/dL未満)を把握しておくことが重要です。