抗凝固剤を含む採血管を用いる必要があるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
HbA1cは赤血球内のヘモグロビンが糖化された割合を評価する検査であり、赤血球の細胞形態や内容を保持した全血を用いる必要があるため、凝固を防ぐEDTAなどの抗凝固剤が含まれた採血管で採血します。他の選択肢のインスリン、C-ペプチド、グリコアルブミン、抗グルタミン酸デカルボキシラーゼ抗体は、主に血清または血漿(凝固因子を取り除いた液体部分)を検体とするため、採血時に抗凝固剤が必須ではありません。特にグリコアルブミンや抗体検査は血清検体が一般的です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。HbA1cは赤血球中のヘモグロビンにブドウ糖が結合した割合を測定する項目であり、赤血球が凝固しないEDTA加(抗凝固剤入り)採血管で全血として提出される必要があります。
- 2. インスリンは血清または血漿で測定されるため、一般的には凝固させてから血清を分離するか、ヘパリン加採血管などで血漿を採取します。抗凝固剤が必須というよりは、測定安定性のために血漿分離が迅速に行われることが重要です。正しくは:インスリンは血清または血漿で測定されます。抗凝固剤が必須ではありません。選びやすい理由:ホルモン測定は血漿で行われることも多いため、抗凝固剤を連想しやすいかもしれませんが、HbA1cとは異なる理由(安定性)で血漿を用いる場合があります。混同注意:他の血漿で測定される項目と混同しやすいです。
- 3. C-ペプチドもインスリンと同様に血清または血漿で測定される項目であり、抗凝固剤の有無が測定に必須ではありません。インスリン産生能の指標として使用されます。正しくは:C-ペプチドは血清または血漿で測定されます。抗凝固剤が必須ではありません。選びやすい理由:インスリンと関連する項目であるため、同様に血漿を連想しやすいかもしれません。混同注意:インスリンと同じく、血清・血漿検体の扱いを混同しやすいです。
- 4. グリコアルブミンは血清中のアルブミンが糖化された割合を測定する項目であり、血清を検体とするため、抗凝固剤は不要です。採血後に凝固させてから血清を分離します。正しくは:グリコアルブミンは血清検体で測定されるため、抗凝固剤は不要です。選びやすい理由:HbA1cと同じく糖尿病の指標であるため、採血管の区別がつきにくい可能性があります。混同注意:HbA1c(全血検体)とグリコアルブミン(血清検体)の検体種の違いを混同しやすいです。
- 5. 抗グルタミン酸デカルボキシラーゼ抗体は自己免疫性疾患の診断に用いられる抗体検査であり、血清を検体とするため、抗凝固剤は不要です。採血後に凝固させてから血清を分離します。正しくは:抗グルタミン酸デカルボキシラーゼ抗体は血清検体で測定されるため、抗凝固剤は不要です。選びやすい理由:抗体検査全般は血清で測定されることが多いですが、その知識が曖昧だと誤った選択肢を選んでしまう可能性があります。混同注意:抗体検査が全血や血漿で測定される場合と混同しやすいです。
国試ポイント
臨床検査技師国家試験では、各検査項目の適切な検体種(全血、血清、血漿など)と、それに伴う適切な採血管(抗凝固剤の有無や種類)の知識が頻繁に問われます。特に糖尿病関連検査で全血・血清・血漿の区別がポイントになります。
混同注意
HbA1c(全血)とグリコアルブミン(血清)のように、同じ疾患に関連する検査項目であっても検体種が異なる場合があり、これらを混同しやすいです。また、血漿を検体とする検査項目と、血清を検体とする検査項目の区別も重要です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出た場合、「各検査項目の目的(何を見るのか)」と「測定対象(細胞内成分か、血漿・血清成分か)」を照らし合わせることで、適切な検体種(全血、血清、血漿)を判断し、それに必要な採血管の選択ができるかを問われるでしょう。
関連知識
EDTA加採血管:血球検査、HbA1cなど。ヘパリン加採血管:生化学検査(血漿)、血糖(フッ化Na加も可)など。クエン酸Na加採血管:凝固系検査。血清分離管(凝固促進剤入り):生化学検査、免疫血清検査。