直接抗グロブリン試験の目的はどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・3番
解説
直接抗グロブリン試験(直接クームス試験)は、患者の赤血球表面にすでに結合している免疫グロブリン(抗体)や補体を検出することで、生体内で赤血球が抗体や補体によって感作されているかを確認する検査です。この感作が確認される主な病態として、自己免疫性溶血性貧血(AIHA)や新生児溶血性疾患、薬剤誘発性溶血性貧血などが挙げられます。したがって、赤血球表面の感作タンパク質の検出(選択肢2)と、自己免疫性溶血性貧血の診断補助(選択肢3)が直接抗グロブリン試験の主な目的となります。不規則抗体の検出は間接抗グロブリン試験の目的であり、抗体解離試験の抗体特異性の評価も間接抗グロブリン試験を用いて行われることが多いです。新生児溶血性疾患の母親血清の抗体検査も間接抗グロブリン試験で行われます。
選択肢ごとの解説
- 1. 不規則抗体の検出は間接抗グロブリン試験(間接クームス試験)の目的です。直接抗グロブリン試験は、患者の赤血球表面にすでに結合している抗体や補体を検出します。正しくは:不規則抗体の検出は間接抗グロブリン試験の目的である。選びやすい理由:抗体に関する試験なので混同しやすいが、直接か間接かで対象が異なる。混同注意:間接抗グロブリン試験
- 2. 正解。直接抗グロブリン試験は、患者の赤血球表面に結合している抗体(免疫グロブリン)や補体を直接検出することを目的としています。これにより、体内で赤血球が感作されている状態を確認できます。
- 3. 正解。自己免疫性溶血性貧血(AIHA)では、自身の抗体が赤血球表面に結合し、溶血を引き起こします。直接抗グロブリン試験で赤血球上の抗体や補体が陽性となることは、AIHAの診断に非常に重要です。
- 4. 抗体解離試験で得られた解離抗体の特異性を評価する際は、赤血球パネルを用いた間接抗グロブリン試験などが行われます。直接抗グロブリン試験自体が抗体特異性の評価を直接的に行うものではありません。正しくは:抗体解離試験で得られた抗体の特異性評価には、赤血球パネルを用いた間接抗グロブリン試験などが行われる。選びやすい理由:抗体解離試験も直接抗グロブリン試験と関連するが、直接その試験で特異性を評価するわけではないため注意が必要。混同注意:抗体解離試験の目的
- 5. 新生児溶血性疾患の原因となる母親血清中の不規則抗体(特に抗D抗体など)を検査するのは、間接抗グロブリン試験の目的です。新生児の赤血球に対する直接抗グロブリン試験は行われますが、母親血清に対する検査ではありません。正しくは:新生児溶血性疾患の母親血清中の抗体検査は間接抗グロブリン試験の目的である。選びやすい理由:新生児溶血性疾患の診断には直接抗グロブリン試験が関わるため、関連性から選択しやすいが、これは母親血清に対する検査を指しているため誤り。混同注意:新生児溶血性疾患における直接抗グロブリン試験(新生児赤血球)と母親血清中の抗体検査(間接抗グロブリン試験)
国試ポイント
直接抗グロブリン試験と間接抗グロブリン試験の基本的な原理と、それぞれの検査で何が検出され、どのような疾患の診断に用いられるかを明確に理解しているかが問われる。特に、『直接』と『間接』の違いを混同しないことが重要。
混同注意
直接抗グロブリン試験と間接抗グロブリン試験の目的・対象、および関連疾患。
次に同じ論点が出たら
クームス試験の問題が出た場合、まず『直接』か『間接』かを確認し、それぞれの対象(患者赤血球表面か、血清中の遊離抗体か)と、それによって診断できる疾患を正確に判断する。
関連知識
クームス試験の歴史、抗原抗体反応、補体の活性化、溶血性貧血の種類(自己免疫性、新生児溶血性、薬剤誘発性など)、不規則抗体の意義。