肢誘導心電図(別冊No. 3)を別に示す。所見はどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
肢誘導心電図において、P波はすべての拍で先行しており、QRS波もP波に続いて出現している。しかし、PQ間隔は0.20秒(5mm、25mm/sの場合)を超えて延長しており、これは心房から心室への伝導時間が遅延していることを示しているため、I度房室ブロックと診断できる。
選択肢ごとの解説
- 1. 洞房ブロックはP波の脱落または不規則なP波の出現を特徴とするが、この心電図ではP波は規則的に出現しており、QRS波に先行しているため誤り。正しくは:P波が周期的に欠落している、または不規則なP波が出現している。選びやすい理由:徐脈傾向があるため、不整脈の一種である洞房ブロックを想起しやすいかもしれない。混同注意:洞不全症候群やその他の徐脈性不整脈
- 2. 正解。すべてのP波にQRS波が続き、QRS波の脱落はない。しかし、PQ間隔はすべての拍で0.20秒を超えて延長しており、これは心房から心室への伝導遅延を示すI度房室ブロックの典型的な所見である。
- 3. Wenckebach型Ⅱ度房室ブロックでは、PQ間隔が次第に延長し、最終的にQRS波が脱落するが、この心電図ではQRS波の脱落はなく、PQ間隔も一定に延長しているため誤り。正しくは:PQ間隔が漸次延長し、QRS波が脱落する。選びやすい理由:ブロックという言葉から、房室ブロックの他の型と混同しやすい。混同注意:MobitzⅡ型Ⅱ度房室ブロック、I度房室ブロック
- 4. MobitzⅡ型Ⅱ度房室ブロックでは、PQ間隔は一定であるが、突然QRS波が脱落する。この心電図ではQRS波の脱落はなく、PQ間隔も常に延長しているため誤り。正しくは:PQ間隔は一定だが、突然QRS波が脱落する。選びやすい理由:ブロックという言葉から、房室ブロックの他の型と混同しやすい。混同注意:Wenckebach型Ⅱ度房室ブロック、I度房室ブロック
- 5. Ⅲ度房室ブロック(完全房室ブロック)では、P波とQRS波が全く無関係に出現し、心房と心室がそれぞれ独立したリズムを刻む。この心電図ではすべてのP波にQRS波が先行して出現しており、P波とQRS波に一定の関係性があるため誤り。正しくは:P波とQRS波が完全に無関係に出現する(房室解離)。選びやすい理由:徐脈傾向から重症の房室ブロックを想起しやすいかもしれない。混同注意:高度房室ブロック、他の房室ブロック
国試ポイント
I度房室ブロックの心電図所見(P波の先行、PQ間隔の延長)を正確に識別できること。
混同注意
Wenckebach型Ⅱ度房室ブロック(PQ間隔が漸次延長し、QRS波が脱落する)やMobitzⅡ型Ⅱ度房室ブロック(PQ間隔は一定だがQRS波が突然脱落する)と混同しやすい。P波とQRS波の関係性を正確に把握することが重要である。
次に同じ論点が出たら
今後同様の心電図問題が出題された場合は、まずP波とQRS波の関係性を確認し、次にPQ間隔の長さを正確に測定して診断する。
関連知識
正常のPQ間隔は0.12〜0.20秒(3〜5mm、25mm/s)である。PQ間隔が0.20秒を超える場合はI度房室ブロックと診断される。