A/G比が増加するのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
A/G比は血清アルブミンとグロブリンの比率を示す指標です。アルブミンは主に肝臓で合成され、グロブリンは免疫機能に関連するタンパク質(免疫グロブリンなど)が多く含まれます。A/G比が増加する病態は、主にグロブリンの減少やアルブミンの相対的増加によって起こります。原発性免疫不全症候群の中には、X連鎖無γグロブリン血症のように免疫グロブリンの産生が著しく障害される病態があり、これによりグロブリンが減少し、結果としてA/G比が上昇します。
選択肢ごとの解説
- 1. 肝硬変では、肝臓でのアルブミン合成能が低下し、さらにグロブリン、特にγグロブリンの増加が見られるため、A/G比は低下します。正しくは:A/G比は低下します。選びやすい理由:肝機能障害と関連するため、アルブミンの変動は想像しやすいですが、グロブリンの変動も見落としやすいです。混同注意:急性肝炎など、他の肝疾患との混同。
- 2. 慢性感染症では、炎症反応によりグロブリン(特にγグロブリン)が産生促進されるため、A/G比は低下します。正しくは:A/G比は低下します。選びやすい理由:炎症があるため、アルブミンの変動(減少)は想像しやすいですが、グロブリンの増加の程度を誤解しやすいです。混同注意:急性期反応との混同。炎症によるアルブミン減少とグロブリン増加のバランスの誤解。
- 3. 多発性骨髄腫では、形質細胞の異常増殖により単クローン性の免疫グロブリン(グロブリンの一種)が大量に産生されるため、A/G比は著しく低下します。正しくは:A/G比は著しく低下します。選びやすい理由:異常タンパク質が産生されることは知っていても、それがA/G比にどう影響するかを正確に理解していない場合。混同注意:他の血清タンパク電気泳動パターンを呈する疾患との混同。
- 4. 正解。原発性免疫不全症候群の一部(例:X連鎖無γグロブリン血症など)では、免疫グロブリン(グロブリンの一部)の産生が著しく低下するため、グロブリンが減少し、結果としてA/G比は増加します。正しくは:該当しません。選びやすい理由:免疫不全という言葉から、様々な状態を連想しやすく、グロブリンの減少に直接結びつきにくいかもしれません。混同注意:免疫機能の亢進を伴う疾患や、他のタンパク質異常を伴う疾患との混同。
- 5. 全身性エリテマトーデス(SLE)のような自己免疫疾患では、自己抗体などの免疫グロブリンが過剰に産生されることが多いため、グロブリンが増加し、A/G比は低下します。正しくは:A/G比は低下します。選びやすい理由:免疫系の異常が関わるため、選択肢として選びやすいですが、具体的なA/G比への影響を間違えやすいです。混同注意:他の自己免疫疾患や、炎症性疾患でのA/G比の変動。
国試ポイント
A/G比の変動を引き起こす疾患とその病態生理を正確に理解しているかを問う問題です。特に、アルブミンとグロブリンのどちらがどのように変動するか、各疾患と関連付けて覚えていることが重要です。グロブリンの減少がA/G比の上昇につながるケースに注意が必要です。
混同注意
A/G比の低下を引き起こす疾患(肝硬変、慢性感染症、多発性骨髄腫、自己免疫疾患など)と、A/G比の上昇を引き起こす疾患(低γグロブリン血症など)が混同されやすいです。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合は、各選択肢の疾患において、アルブミンとグロブリンの具体的な変動(増加・減少)とその理由を詳細に確認します。特にグロブリン分画(α1, α2, β, γ)の変動も考慮に入れるとより深い理解につながります。
関連知識
血清タンパク質電気泳動パターン、免疫グロブリンの種類と機能、肝機能障害とタンパク合成、炎症反応と急性期タンパク質、免疫不全症の種類と特徴。