騒音性難聴で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
騒音性難聴は、長期にわたる大音量への曝露により、内耳の蝸牛にある感覚細胞である有毛細胞が障害されることで生じます。有毛細胞の障害は音を神経信号に変換する機能に関わるため、感音難聴に分類されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 騒音性難聴は内耳の有毛細胞が障害されることで生じ、一度障害された有毛細胞は再生しないため、失われた聴力は回復しません。正しくは:聴力は基本的に回復しません。選びやすい理由:一時的な騒音曝露による聴力低下(一過性閾値上昇)と混同して、回復すると思い込んでしまう可能性があります。混同注意:一過性閾値上昇(TTS:一時的な聴力低下)と永続性閾値上昇(PTS:回復しない聴力低下)の区別がついていないと誤答しやすいです。
- 2. 正解。騒音性難聴は、大きな音への長期間の曝露により、内耳の蝸牛にある有毛細胞が損傷を受けることで発生します。これは音を神経信号に変換する過程の問題であるため、感音難聴に分類されます。正しくは:正答のため修正不要です。選びやすい理由:正答です。混同注意:伝音難聴は外耳や中耳の障害によるものです。騒音性難聴が内耳の障害であることを理解していれば混同しません。
- 3. 短時間であっても非常に大きな音(衝撃音など)に曝露された場合、音響外傷として急性騒音性難聴が発生することがあります。また、繰り返し短時間曝露されることで慢性的に進行することもあります。正しくは:短時間の大音量曝露でも発生する可能性があります。選びやすい理由:一般的に騒音性難聴が慢性的な職業病として認識されているため、短時間では発生しないと思われがちです。混同注意:慢性的な騒音性難聴と急性音響外傷との区別が曖昧だと誤答しやすいです。
- 4. 騒音性難聴の特徴的な聴力低下は、初期には4,000Hz付近、特に4,000Hzから6,000Hzにかけての周波数で顕著に現れます。これは、蝸牛の基底膜がこの周波数帯の音に対して最も脆弱であるためです。正しくは:4,000Hzを中心とした聴力低下が特徴です。選びやすい理由:異なる種類の難聴や、聴力検査の一般的な基準周波数と混同する可能性があります。混同注意:正常聴力検査でよく用いられる基準周波数(500, 1000, 2000, 4000Hzなど)の中で、どの周波数に最も特徴的な低下が見られるか正確に覚えていないと混同します。
- 5. 騒音性難聴は4,000Hz付近の聴力低下から始まることが多く、この周波数帯は日常会話の主要な周波数帯(500~2,000Hz)とは異なるため、初期には日常会話に大きな支障がないことが多いです。進行すると会話音域にも影響が出ます。正しくは:発症初期には日常会話の聞き取りに大きな困難を感じないことが多いです。選びやすい理由:「難聴」という言葉から、すぐに会話が困難になると思い込んでしまう可能性があります。混同注意:難聴の初期症状や、特定の周波数帯の聴力低下が会話に与える影響について正確に理解していないと誤答しやすいです。
国試ポイント
騒音性難聴の基本的な病態、分類(感音難聴であること)、特徴的な聴力低下の周波数、および不可逆性について問われています。特に、どのタイプの難聴に分類されるか、どの周波数帯で障害が顕著か、回復の可能性が重要論点です。
混同注意
伝音難聴と感音難聴の区別、一時的閾値上昇(TTS)と永続的閾値上昇(PTS)の区別、および騒音性難聴の特徴的な周波数(4,000Hz)を他の周波数と混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出た場合、騒音性難聴が感音難聴であること、聴力回復の有無、特徴的な聴力低下の周波数(4,000Hz付近)、発症機序(有毛細胞障害)が確実に理解できているかを再確認します。
関連知識
内耳の構造と機能(蝸牛、有毛細胞)、聴覚のメカニズム、聴力検査の種類と解釈、難聴の分類(伝音性、感音性、混合性)、音響外傷。