器官または組織と胚葉との組合せで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
中枢神経系、具体的には脳と脊髄は、発生初期の神経管から形成されます。神経管は、発生の過程で外胚葉の一部が内側に陥入し、閉鎖することで発生するため、中枢神経系は外胚葉由来です。
選択肢ごとの解説
- 1. 心臓は、中胚葉のうちでも特に臓側中胚葉(内臓壁板)から発生します。正しくは:心臓 - 中胚葉選びやすい理由:心臓は体の深部にあり、消化器など内胚葉由来の器官と近いため、混同しやすいかもしれません。混同注意:内胚葉は主に消化器や呼吸器の上皮、腺を形成します。心臓は筋肉組織と血管から構成されており、これらは中胚葉由来です。
- 2. 皮膚は表皮と真皮に分けられます。表皮は外胚葉由来であり、真皮は中胚葉(体節の皮膚板、または側板中胚葉)由来です。正しくは:皮膚の表皮 - 外胚葉、皮膚の真皮 - 中胚葉選びやすい理由:皮膚は複合的な器官であり、その一部(真皮)が中胚葉由来であるため、全体として中胚葉と捉えてしまう可能性があります。混同注意:外胚葉は表皮、神経系、感覚器などを形成します。中胚葉は骨、筋肉、結合組織、血管、泌尿生殖器などを形成します。
- 3. 膵臓は、消化管の一部が分化してできるため、内胚葉由来の器官です。正しくは:膵臓 - 内胚葉選びやすい理由:膵臓は腹部に位置し、内胚葉由来の消化器と密接に関連していますが、中胚葉由来の周囲組織との区別が曖昧になるかもしれません。混同注意:中胚葉は筋肉、骨、結合組織、腎臓、脾臓などを形成します。膵臓は消化腺であり、消化管上皮と同じく内胚葉から分化します。
- 4. 腸管は、消化管の主要部分であり、主に内胚葉から発生します。ただし、神経叢などは神経堤由来(外胚葉の一部)です。正しくは:腸管 - 内胚葉選びやすい理由:腸管の神経系(腸管神経系)は外胚葉(神経堤)由来ですが、問題は「腸管」全体を指しているため、主な構成要素である上皮組織の胚葉が問われています。混同注意:外胚葉は表皮、神経系、感覚器を形成します。内胚葉は消化管、呼吸器の上皮および関連腺(肝臓、膵臓など)を形成します。
- 5. 正解。中枢神経系(脳と脊髄)は、神経管と呼ばれる構造から発生します。この神経管は、外胚葉の一部が陥入して形成されるため、中枢神経系は外胚葉由来です。
国試ポイント
胚葉からの器官発生は、基礎医学の重要な知識であり、特に主要な器官(神経系、心臓、消化器、皮膚など)がどの胚葉から分化するかを正確に理解しているかが問われます。個々の器官が単一の胚葉だけでなく複数の胚葉から形成される場合がある点も注意が必要です。
混同注意
各器官が単一の胚葉だけでなく、複数の胚葉から複合的に形成されることがあるため、例えば「皮膚」のように表皮と真皮で胚葉が異なる場合に混同しやすいです。また、内胚葉と中胚葉、外胚葉と中胚葉のように、機能的に近い器官の胚葉を間違えやすい傾向があります。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合は、まず各選択肢の器官がどの系統に属するか(神経系、消化器系、循環器系など)を大まかに把握し、その後、それぞれの系統の主要な胚葉を思い出すと良いでしょう。特に複数の胚葉から構成される器官(例:皮膚、腸管)については、どの部分がどの胚葉由来かを細かく確認する必要があります。
関連知識
外胚葉: 表皮、毛、爪、皮脂腺、汗腺、乳腺、神経系(脳、脊髄、末梢神経)、感覚器(眼の水晶体、網膜、耳の内耳)、歯のエナメル質、下垂体前葉、副腎髄質。中胚葉: 骨、筋肉(骨格筋、平滑筋、心筋)、結合組織、血液、血管、リンパ系、腎臓、副腎皮質、生殖腺、脾臓。内胚葉: 消化管の上皮(咽頭から直腸まで)、呼吸器の上皮(気管、気管支、肺胞)、肝臓、膵臓、胆嚢、膀胱の上皮、甲状腺、副甲状腺、胸腺。